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第一生命保険が海外の石炭火力発電プロジェクトファイナンス事業への参加を停止。温暖化対応のグローバルな流れを重視。日本生命も検討中で、生保最大手2社が「石炭離れ」に動き出した(RIEF)

2018-05-09 21:30:36

daiichiseimeiキャプチャ

 

  各紙の報道によると、第一生命保険は、海外の大型事業融資(プロジェクトファイナンス)について、石炭火力発電所の建設に融資しないことを決めた。生保業界では、日本生命保険が、新規の石炭火力発電事業への融資停止を検討していることが報じられており、実現すると、生保業界のトップ、第2位が競って、「石炭離れ」に動くことになる。

 

   第一生命の石炭火力事業向けプロファイ参加の見送りは、朝日新聞が報じた。同紙によると、石炭火力向け融資の見送りについて同社は、「石炭はやめるべきだというのはグローバルな流れだ」(幹部)と明かしているという。ただ、国内向けの融資は案件ごとに個別判断する、としており、対象は海外事業に限定する方針という。https://digital.asahi.com/articles/DA3S13483061.html

 

 生保業界トップの日生は、先月末の2018年度の運用方針の説明会で、温暖化対策に資するため、新規の石炭火力発電事業への融資停止を検討していることを明らかにしている。またESG投資についても、2020年度までの目標額をこれまでより3.5倍引き上げて7000億円に設定した。http://rief-jp.org/ct2/78973?ctid=68

 

 ただ、第一生命の場合、国内での石炭火力発電への融資は案件ごとに個別判断するとしているが、温暖化対策という視点からは、石炭火力発電は内外関係なく、CO2排出量の増加で温暖化を加速することに変わりはない。日本国内では新規の石炭火力発電事業が40件以上、進められており、その成否が注目されているだけに、海外事業向け融資だけ撤退して、国内で従来どおりの融資を続けるというのは、温暖化対策に資する姿勢としては十分といえない。

 

 一方、欧米の総合保険会社は、資金運用の投資対象から石炭関連事業を除外するとともに、企業向け保険の契約対象からも石炭関連事業を除外する方針を打ち出すところが増えている。フランスのアクサが先鞭とw付け、ドイツのアリアンツも今月に入って、2040年までに同社が提供する保険契約と投資の両方を、パリ協定に基づく「2℃目標」と整合させると同時に、石炭火力関連への保険提供、投資を撤退する目標を公表している。http://rief-jp.org/ct6/79172

 

 第一生命は、9日時点で、石炭火力向け融資除外を正式には公表していない。

http://www.dai-ichi-life.co.jp/