HOME2. 保険 |SOMPOホールディングス、タイ子会社が、ロンガン栽培農家向けに、気候変動による干害対策の「天候インデックス保険」販売へ。稲作農家向けに次ぐ市場開拓。温暖化の適応ファイナンスの具体例(RIEF) |

SOMPOホールディングス、タイ子会社が、ロンガン栽培農家向けに、気候変動による干害対策の「天候インデックス保険」販売へ。稲作農家向けに次ぐ市場開拓。温暖化の適応ファイナンスの具体例(RIEF)

2019-02-14 17:32:26

rongan2キャプチャ

 

 SOMPO ホ ー ル デ ィ ン グ スの子会社のSOMPO Insurarance Thailand(SOMPOタイ)は、タイで果実のロンガン(リュウガンともいう)の栽培農家向けに、衛星による気候データを活用した「天候インデックス保険」を今月中旬から開始すると公表した。同社はこれまでも同国の稲作農家向けに同保険を販売してきた実績がある。

 

 (写真は気候データを集めるJAXAの衛星)

 

 SOMPOタイは、新保険の販売に際して、現地の農民向け融資を行うタイ農業協同組合銀行(Bank for Agriculture and Agricultural Cooperative (BAAC)と連携する。SOMPOは2010年から、BAACと連携してタイ北部の稲作農家向けに天候インデックス保険を販売してきた。

 

 同保険は、近年の気候変動によって極端な干ばつなどの自然災害が発生した際、損害額の査定を細かくしなくても、一定の気候条件を満たした場合は保険金が払われる仕組み。翌年の種等の購入費用を補填することができる。

 

ロンガンの果実
ロンガンの果実

 
 ロンガンはフルーツとして生食されるほか、ジュース、アイスクリーム等の材料にも利用されるほか、乾燥させてスープにもする。タイにとって主要輸出農業作物である。だが、稲と同様に干ばつリスクにさらされている。

 

 そこでタイ政府は、ロンガン農家の安定的成長のため、保険活用も含めた経済的支援策を検討してきた。SOMPタイは、同国政府の意向設けて、稲作農家向け保険での販売ノウハウを活かした商品開発をした。特に、気候変動データをより正確に把握するため、グループの海外事業会社である SOMPO International Holdings Ltd. (SIH ) が 立 ち 上 げ た 統 合 プ ラ ッ ト フ ォ ー ム の 「AgriSompo」を活用しロンガン農家向けに衛星データ利用の商品を開発した。


 AgriSompoは、世界各国のマーケットニーズに応じた農業リスクマネジメントソリューションを提供を目指して、統一的な基準で保険引受 (アンダーライティング)等をするプラットフォームとして、2017年11月に立ち上げた。北米、欧州等の農業市場向けの保険 、 再保険や天候デリバティブ ( 天候インデックス保険 ) な どを提供している。

  
 
 今回のタイでのロンガン農家向け保険は、対象地域がチェンマイ県とし、対象リスクの干ばつについて、果実が実る 3~4 月の少雨リスクを補償する。補償内容は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が提供する「衛星全球降水マップ(GSMaP)」をベースにした降水量データに基づき、雨が降らない日の連続日が、あらかじめ設定した連続日数を上回った場合に、事前に定めた金額を保険金として支払う。



 SOMPタイは、チェンマイ県での成果が順調ならば、タイ国内の他県への展開を予定している。また他の途上国でも、温暖化対策のアダプテーション政策が求められており、今後市場の拡大を目指すとしている。

http://www.sompo-hd.com/~/media/hd/files/news/2019/20190208_2.pdf