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日本生命、4~6月の株主総会での議決権行使結果を公表。日産、スルガ銀行の取締役選任に反対。LIXILには会社側・株主側両方の提案に賛成(RIEF)

2019-09-04 13:32:20

nissei123キャプチャ

 

 日本生命は3日、投資先上場企業の株主総会での議決権行使結果を開示した。対象企業の会社提案に対する日生の反対表明は4.5%(61件)。この中には、日産自動車やスルガ銀行の取締役選任案への反対が含まれる。日生は、議決権行使とともに、投資先との対話も実施し、企業統治の改善を促す方針をとっている。改善が期待されない場合は、株式売却も選択肢となる。

 

  国内民間で最大の機関投資家である日生は、約1700社の企業に投資している。このうち、今回の議決権行使対象は、4~6月に株主総会を開催した1368社。

 

 会社提案へのすべてに賛成した企業数は95.5%の1307社。会社提案に1議案以上の反対票を投じた企業は4.5%の61社だった。議案別に反対票が最も多かったのは、取締役選任(34件)。次いで剰余金処分(16件)、監査役選任(9件)、退職慰労金支給(6件)の順。

 

 日生は反対票を投じる際の基準について、取締役選任関連では、「ROE及び営業利益率等/業績不振」、「取締役等の出席率」、「買収防衛策のスキーム」、「不祥事等」での分野ごとに定めている。たとえば、「不祥事等」では、「経営陣の内紛等に端を発し、ガバナンス上の懸念が継続していると判断される場合の当該懸念のある取締役の選任議案」等と具体的に示している。

 

 反対票を投じた主な事例では、日産、スルガ銀行のほか、創業家とのトラブルで訴訟が起きた精密バネのアドバネクスの取締役選任では会社側提案に反対、株主提案に賛成した。その理由として「会社提案の取締役候補者は、一部株主からの独立性および選任プロセスでの透明性に懸念が持たれる状況にあった。前回総会以前の経営陣による継続的な取り組みが企業価値向上に寄与すると判断した」としている。

 

 また、経営権をめぐり、会社側と株主側が対立したLIXILグループでは、日生は会社側と株主側の両方の提案に賛成した。その理由として、「会社提案または株主提案の一方の未が成立した場合、対立がさらに深刻化し、企業価値へ悪影響を与える懸念があると判断。両案が成立した場合は双方の融和が図られ、企業価値向上に向けて協力した取り組みが期待されると判断した」と説明を加えている。

 

 それ以外では、曙ブレーキ工業と、よみうりランドについて、買収防衛スキームで反対、信越ポリマーでは監査役の独立性を理由に選任に反対、新潟放送には、剰余金処分と取締役選任で4件の反対、などが目に付く。

https://www.nissay.co.jp/kaisha/otsutaeshitai/shisan_unyou/ssc/pdf/kekka2019.pdf

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