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第一生命保険、「2019年責任投資活動報告」公表、ESGテーマ型投資残高約4000億円に。グリーンボンド等の債券投資とSDGs事業投融資はほぼ拮抗(RIEF)

2019-10-10 18:01:35

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  第一生命保険は、「2019年責任投資活動報告」を公表した。それによると、グリーンボンド等のESGテーマ型投資残高は約4000億円に達した。このうちグリーンボンドやSDGsボンド等へ債券の投資は約1600億円、SDGs事業への投融資額は約1800億円だった。債券投資は海外中心、事業投融資は国内がほぼ半数となっている。

 

 ESGテーマ型投資のうち、再生可能エネルギー事業向け投融資は約1200億円。その約6割が国内事業、4割が海外事業になっている。事業別では太陽光発電事業へのプロジェクトファイナンスが510億円で、その大半は国内事業。

 

 風力発電事業は420億円で、こちらは7割強が海外投資となっている。またバイオマス発電事業270億円のうち国内事業は全体の8割近くを占める。再エネ事業への投融資は、その普及度合いに応じた対応をしていることになる。

 

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 ESGテーマ型投資のうち債券関連投資先では、国内では東京都の東京グリーンボンドへ投資したほかは、多くが海外の発行体のボンド。欧州復興開発銀行(EBRD)のマイクロファイナンス・ボン、同ヘルスボンド、国際金融公社(IFC)のインクルーシブボンド、アジア開発銀行のジェンダーボンド等国際金融機関発行のボンドが多い。

 

 SDGs事業への投融資実績約1800億円のうち、45%を占める日本国内向けでは、再エネ事業が740億円と大半を占める。福島県での太陽光発電事業等が中心だ。次いで多いのが欧州市場でドイツでの洋上風力発電事業等となっている。

 

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 第一生命が力を入れているのが、インパクト投資。1件当たりの投資額は大きくはないが、事業内容が社会的インパクトのあるテーマに絞ったスタートアップ企業やベンチャー、マイクロファイナンス等に投資している。これまで13件、64億円に達した。主なインパクト事業としては、強風下でも発電可能な風力発電開発を進めるチャレナジー、目の動きで認知機能を測るアプリ開発のニューロ・トラック、乳がんの早期発見と検診負担軽減システム開発のIntegral Geometry Scienceなど。

 

 インパクト投資の選定に際しては、①経営者が社会的課題解決に向けた明確なビジョンを有している②一定の実現可能性がある、などを条件としている。

 

https://www.dai-ichi-life.co.jp/dsr/investment/index.html

https://www.dai-ichi-life.co.jp/dsr/investment/pdf/ri-report_001.pdf