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年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、不動産・インフラのESG評価のグローバル基準であるGRESBに参加。内外の不動産投資へのESG評価を強化へ(RIEF)

2020-03-30 08:00:21

GPIF22キャプチャ

 

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、不動産・インフラストラクチャー投資分野で ESG評価基準を提供する国際イニシアティブの「GRESB」に加盟した。GPIFはESG要素を投資判断に組み込む方針を進めているが、「不動産投資分野でも、市場全体の ESG 情報の開示促進と運用受託機関等との「建設的な対話」促進が必要」としてGRESB加盟の理由を説明している。

 

  GRESB は 2009年に欧州の年金基金を中心に「グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク」として設立された国際的イニシアティブ。不動産及びインフラストラクチャー投資の ESG 評価基準を提供している。年に一度、加盟の不動産会社や不動産ファンドのESG 投資の取り組みや達成度を評価。2019 年の年次評価には1000以上の各国の不動産会社やファンドが参加、対象となる実物資産は約4.5兆㌦にのぼる。

 

GRESBキャプチャ

 

  個々の環境不動産(グリーンビルディング)の認証制度には、日本のCASBEE、米国のLEED、英国のBREEAMなどがあるが、不動産会社・ファンド単位のベンチマークはGRESBがグローバルスタンダードとなっている。

 

 GPIFは、LPS(投資事業有限責任組合)を通じたオルタナティブ投資として不動産投資を位置付けている。オフィスビル、商業 施設、物流施設、住宅等のほか、上下水道、発電所、有料道路等のインフラ投資もその対象となる。これらへの運用は、株や債券等と同様、運用受託機関を選定して、運用委託をする。不動産はグローバル不動産、国内不動産等に分けている。

 

 グローバル不動産の運用受託機関には、アセットマネジメントOne、CBRE Global Investment Partners Limitedなど。国内不動産は三菱UFJ信託銀行など。

 

GPIF30キャプチャ

 

 GPIFは今回のGRESB加盟に際して、「自らのスチュワードシップ責任を果たすため、不動産の投資・運用プロセスにおいて、 GRESBの評価制度を積極的に活用することを運用受託機関に求めていく」とコメントしている。

 

 GPIFはGRESBの不動産投資メンバーとして参画する。すでに同メンバーには100 以上の機関投資家(合計運用資産22兆㌦超)が参加している。投資家はGRESBの評価結果を、投資先の選定、モニタリン グやエンゲージメントに活用している。

https://www.gpif.go.jp/investment/gresb_jp.pdf