HOME8.温暖化・気候変動 |欧州理事会、サステナブルファイナンスのタクソノミー法制化を了承。昨年12月の欧州議会との合意による正式手続き。欧州議会の可決で成立。気候変動タクソノミーは年末に完了(RIEF) |

欧州理事会、サステナブルファイナンスのタクソノミー法制化を了承。昨年12月の欧州議会との合意による正式手続き。欧州議会の可決で成立。気候変動タクソノミーは年末に完了(RIEF)

2020-04-18 00:39:47

EUCouncil1キャプチャ

 

 欧州理事会は15日、サステナブルファイナンス行動計画の軸となるグリーン&サステナブル・プロジェクトのタクソノミー規制の導入で合意したと発表した。すでに同理事会は昨年12月に欧州議会との間で、タクソノミーの法的フレームワークの導入で合意しており、今回、理事会側の対応を正式に決めた形。

 

 タクソノミーはグリーン&サステナビリティ事業を分類しリスト化するもので、法制化は世界でも初めて。EUの法制化は、欧州議会と、各国で構成する欧州理事会による合意で決定する。今回の理事会の決定で第一読会が通過したことになり、これを受けて議会が第二読会での可決手続きに入る。すでに基本合意は昨年中に完了しているので、手続きだけとなる。http://rief-jp.org/ct4/97350?ctid=71

 

 今回の法制化の対象は、タクソノミーの個々のプロジェクトではなく、全体のフレームワークを定めるもの。フレームワークの対象分野として、①気候変動緩和策②気候変動適応策③水資源と海洋資源のサステナブルな仕様と保護④サーキュラーエコノミーへの移行⑤汚染防止・抑止⑥生物多様性とエコシステムの保護と回復、の6分野を定めている。

 

閣僚理事会の会議室
欧州理事会の会議室

 

 それぞれの分野で該当する個々のプロジェクトとその条件については別途、欧州委員会の技術専門家グループ(TEG)によって事業分類が進められている。現在、先行する気候変動関連の2分野の事業分類は2020年末までにまとめ、2021年12月末から実施する予定になっている。他の4分野については、2021年12月末まで事業分類をまとめ、2022年末からの適用を目指している。http://rief-jp.org/ct4/101246?ctid=71 http://rief-jp.org/ct4/100077?ctid=71

 

 EUのタクソノミー法制化には、日本の産業界がもっとも強く反対姿勢を打ち出したとされる。特に経団連は経済産業省と連携する形で、反対意見書を欧州委員会に提出、他の産業団体もロビー活動を展開した。ただ、日本の産業別団体の足並みは微妙に異なり、絶対反対より個別のタクソノミー事業分類での条件緩和を求める内容が多かったとされている。http://rief-jp.org/ct4/100977?ctid=71

 

 グリーン&サステナブル・プロジェクトのタクソノミーは、EUが進める欧州グリーンディール(EGD)戦略の柱を構成する。EUはEGDを軸に2050年までの温室効果ガス排出量ネットゼロの達成と、パリ協定への適合、サステナブルファイナンスの展開等を目指している。

 

 ただ、新型コロナウイルス感染の拡大とそれに伴う経済活動の停滞・低迷の影響で、EUの欧州委員会はEGD計画の見直し修正、さらにはコロナ後の景気回復をEGDを軸とした「グリーンリカバリー」として展開できるかどうかが、問われている。http://rief-jp.org/ct8/101530?ctid=71

 

https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2020/04/15/sustainable-finance-council-adopts-a-unified-eu-classification-system/

https://data.consilium.europa.eu/doc/document/ST-5639-2020-INIT/en/pdf

https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2019/12/18/sustainable-finance-eu-reaches-political-agreement-on-a-unified-eu-classification-system/