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三井住友ファイナンス&リース、東京・羽村市での食品廃棄物原料の大型バイオガス発電にプロジェクトファイナンス方式でリース設備提供。関東圏の食品廃棄物を電気に転換(RIEF)

2020-04-21 16:34:23

hamura1キャプチャ

 

 三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は、アーキ アエナジー(東京)が東京・羽村市で運営するバイオガス発電事業向けに、プロジェクトファイナンス型のリース契約を結んだ。大型のバイオガス発電向けの銅リースは国内初という。 主に関東圏で排出される食品廃棄物を原料とし、発電容量は 1100kW、一般家庭約2100世帯分の年間電力消費量を供給できる。

 

 本事業の開発はアーキアエナジーやSMFL、地元金融機関等が出資して設立した合同会社「羽村バイオマス発電所」が事業主体。アーキエナジーグループの西東京リサイクルセンター(東京)が運営を担当する。約1万㎡の敷地内に、中間処理設備(前処理設備、酸発酵槽、メタン 発酵槽、消化液槽、排水処理設備)および発電設備一式(発電機、ガスエンジンなど)を整備する。SMFLがこれらの設備をリースする。

 

 前処理設備で、廃プラスチック等の発電に適さないものを分別し、発電可能な原料を発酵槽でメタン発酵させる。発酵温度36℃から40℃に調整された嫌気状態で行う。発生したバイオガスは硫化水素や水蒸気など発電機に悪影響のある物質も含んでいるため、それらを除去した後のガスをバイオガス専焼のガスエンジンにかけ、電気エネルギーと熱エネルギーを生み出す仕組みだ。電気は再エネ電源となり、熱は施設内で有効利用する。

 

バイオガス発電所の完成予想図
バイオガス発電所の完成予想図

 

 設備が稼働すると 1 日 80㌧の食品廃棄物の処理が可能。関東一円から食品などの生ごみのほか、廃油、汚泥などの産業廃棄物等を収集する。年間発電量は約770万 kWh。運転開始は今年7月の予定。

 

 食品廃棄物は水分率が高いため燃焼効率が悪いうえに、塩分が多く含まれるため焼却施設の劣化が進みやすいなどの課題がある。各自治体にある焼却施設の老朽化も進んでいる中で、これら廃棄物をメタンガスに転換してエネルギー転換する需要が高まっている。

 

 SMFLはこれまでも再エネ分野でのリース事業を展開しており、「これまでの知見・ノウハウ、さらにパートナー企業との連携をもとに、今後も多様なファイナンススキームを提供していく。SDGsにも貢献する事業と位置付けている」としている。

 

 アーキアエナジーは、2017年に静岡県牧之原市でもバイオガス発電所を稼働させている。

https://www.smfl.co.jp/news/pdf/200421.pdf

https://www.archaea-energy.co.jp/