HOME8.温暖化・気候変動 |コンピューター関連の周辺機器ブランド「ロジクール」の親会社、製品の製造から販売・廃棄までのCO2排出量(カーボンインパクト)を2025年までに全製品に貼付。消費者に情報提供(RIEF) |

コンピューター関連の周辺機器ブランド「ロジクール」の親会社、製品の製造から販売・廃棄までのCO2排出量(カーボンインパクト)を2025年までに全製品に貼付。消費者に情報提供(RIEF)

2020-06-21 22:47:05

LOgocool001キャプチャ

 

 パソコンやデジタル関連の国際的な周辺機器メーカー、Logitech International(スイス)は、製品の製造から販売・廃棄に至るまでのCO2排出量(カーボンインパクト)を全ての自社製品のパッケージに貼付するとともに、ホームページでも開示することを宣言した。今年後半から同ラベルをまず、ゲーミングデバイスに貼付し、2025年までには、日本を含むすべての市場で、すべての自社製品に貼付する予定。消費者は自分が購入する製品のカーボンインパクトを評価できるほか、他社製品との比較にも適用できる。

 

 (写真は、日本でも「ロジクール」として人気の高いコンピューター関連製品)

 

 同社によると、世界のコンシューマー・エレクトロニクス企業で、製品のカーボンインパクト情報を製品パッケージに記載して消費者に情報を提供する企業は初めて、としている。同社の日本法人(株式会社ロジクール)は「今回の目的は、消費者の意識を高めてともに協力することにあり、消費者に購入の選択肢を提供する。同時に、CO2排出量による環境へのインパクトの劇的な低減に向け、業界全体のシフトを促したい」と説明している。

 

製品に貼付される「カーボンインパクト」表示
製品に貼付される「カーボンインパクト」表示

 

 Logitech Internationalはこれまでも、自社製品の環境負荷を削減するため、同社のすべてのブランドで持続可能性を目指して設計プロセス全体を通じて、環境に与える影響を減らす方法をとっている。ただ、CO2の影響については、消費者への情報提供が十分ではなかった。今回のカーボントランスペアレンシーのラベリングによって、CO2排出量の影響を数値化して消費者に伝えることで、消費者がそれらの情報を踏まえた上で購買を決定できるようにした、としている。

 

 消費者に伝えられるカーボンインパクト情報は、原材料から製造、配送、消費者による利用、最終的には廃棄に至るまでの製品ライフサイクル全体にわたり、製品のカーボンインパクトを示すライフサイクル分析(LCA)機能を開発、活用した。LCAツールと同社の設計の専門知識を適用することで、多様な製品/パッケージ資材のCO2排出量、毒性、循環性インパクト等を分析できるという。

 

 カーボン情報を開示する「カーボントランスペアレンシー」は、持続可能性に向けた同社の取り組みを、製品、パッケージ、オペレーション全体にわたって拡張するものだ。同社は2019年にすでに、ゲーミングプロダクトのポートフォリオでカーボンニュートラルを達成している。さらにパリ協定達成の支持を表明、気温上昇1.5℃未満の目標達成に向けて、同社としてカーボンフットプリントの抑制のほか、2030年までに製造等での使用電力を100%再エネ電力に切り替えること等を宣言している。

 

キーボードやマウスも、CO2排出量を考慮して購入しよう
キーボードやマウスも、CO2排出量を考慮して購入しよう

 

 今回のカーボンインパクト情報の表示では、表示するCO2排出量を正確に把握するため、Natural Capital Partners、iPoint Group、独立系検証機関などと協力。開示情報については、ドイツの検査・技術認証機関のDEKRAの認証基準への適合確認を得ている。

 

 製品のカーボンフットプリント情報開示の在り方は現在のところ、国によって対応が様々。同社はグローバルベースで、自社情報を自主的に統一公開していく。情報の妥当性は、ISO 14067およびISO 14026に基づくカーボンフットプリントの数値化/コミュニケーション、さらにラベリング規格に対応することで担保するという。

 

 Logitech International の社長兼CEOのブラッケン・ダレル(Bracken Darrell)は「私たちは自社製品のカーボンインパクトを伝えることで、世界をより良くするために顧客の能力を高め、また顧客と協力していく。カーボンはいわば新しいカロリーであり、(消費者も)自分がどの程度消費しているかを把握する必要がある。私たちは、製品の完全な透明性を実現し、他企業にも私たちの取り組みに加わるよう呼びかけていく。本当の意味で成果をあげるには、業界全体での努力が必要だ」と指摘している。

 

 同社はスイス・ローザンヌを拠点とする。コンピューターのコントロール製品や音楽、ビデオ、ゲーミングなどの分野の製品・サービスをグローバルに展開している。デジタルエクスペリエンスを提供する世界的なリーディング企業。提供ブランドはロジクールのほか、Logicool G、ASTRO Gaming、Jaybird、Ultimate Ears、Blue Microphones等がある。スイス証券取引所(SIX:LOGN)、NASDAQ Global Select Market(LOGI)に上場している。

https://www.logicool.co.jp/ja-jp/press/press-releases/13483

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