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シャープが車体搭載の太陽光電池だけで走れる「純粋な」電気自動車(EV)開発。1kWを超える定格発電量確保(RIEF)

2020-07-08 16:18:53

Sharp001キャプチャ

 

 シャープは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と連携し、車体に張り巡らした太陽電池パネルの発電電力だけで走行できる「純粋電気自動車(EV)」を開発した。世界最高水準の高効率な太陽電池モジュール(変換効率31.17%)と同等のセルを活用する。1kW超の定格発電電力を達成、現状でも走行距離や走行時刻などの利用パターン次第では、外部電源からの充電無しで走行できるという。

 

 シャープが今回採用したモジュールは、インジウムガリウムリン(InGaP)、ガリウムヒ素(GaAs)、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)などの化合物を接合する「Ⅲ-V化合物3接合型太陽光電池」という。同電池はNEDOの太陽光発電開発戦略プロジェクトにおいて、シャープが開発していた。

 

 

Sharp003キャプチャ

 

 今回、この高変換効率モジュールを、自動車へ搭載することを検証するため、日産自動車のEV「e-NV200」に装備した。同電池のセルは約0.03mmの薄いフィルム状で、自動車の車体の曲面形状に沿って貼り付けることができるため、定格発電量は1kWを超える約1150Wを実現できた。

 

 蓄電池は日産の乗用車乗用EV「リーフ」と同じリチウムイオン2次電池パックを採用。容量は40kWh。今回の試作車は太陽光電池の設置面積を増やすため、ミニバンタイプの車両を活用した。まだ今回の検証用車両では、どんな気象条件や使用状況でも充電不要というまでには至っていないが、今後、搭載する太陽光電池と蓄電池の組み合わせ等によって、航続距離や充電回数をゼロにできると試算しているという。(RIEF)

 

https://corporate.jp.sharp/news/200706-a.html