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三菱重工、デンマークの再エネ開発投資ファンド運営のCIPと協働、北海道での洋上風力発電開発のためジョイントベンチャー設立(RIEF)

2020-07-30 16:51:52

CIP001キャプチャ

 

 三菱重工業は北海道で洋上風力発電プロジェクトを開発するため、デンマークのCopenhagen Infrastructure Partners P/S(CIP:コペンハーゲン)と、折半出資のジョイントベンチャー設立で合意した。三菱はすでに同じデンマークの洋上風力発電機大手のヴェスタス(Vestas Wind Systems A/S)と合弁を設立、欧州等で事業展開しているが、今回、再生可能エネルギー開発投資のファンド大手CIPと連携することで、洋上風力発電事業展開の拡大を目指す方針だ。

 

 (写真は、欧州北海沖で建設が進む洋上風力発電所)

 

 CIP社は2012年の設立で、再エネ・インフラ投資を中心とした世界的な大手ファンド運用会社で、現在、7つのファンドを運用している。総運用額は約100億ユーロ(約1兆2500億円)に達する。投資対象資産は、洋上風力のほか、電力網、バイオマス、廃棄物発電、太陽光発電等、幅広く投資している。2018年には日本市場に参入し、日本の再エネ投資拡大を目指している。

 

 三菱重工はヴェスタス社との合弁会社のMHIヴェスタス(MHI Vestas Offshore Wind A/S)において、洋上風力発電機OEMとして欧州を中心にして洋上風車事業に参画している。最近では日本を含めて洋上風力発電の新興市場とされるアジア市場での事業展開を拡大している。

 

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 三菱重工は、今後の成長戦略の一環として、洋上風力発電事業のバリューチェーン全体に目を向けることを打ち出し、今回のCIP社との合弁設立に至った。三菱側のエナジードメインCEO、細見健太郎氏は、「世界の洋上風力発電事業で幅広い経験を持つCIP社との協業は、同事業を手掛ける出発点として非常に意義がある。今回の協業を契機に、洋上風力発電事業を成長戦略の一つとして発展させていく」と述べている。

 

 CIP社のパートナーであるマイケル・ハンニバル(Michael Hannibal)氏は「北海道での共同開発に向けた三菱重工との協業を歓迎している。両社の知識と経験を組み合わせた最適な協業だ。三菱重工は幅広い技術ソリューションと日本市場の知見を提供し、CIPは世界最先端の洋上風力開発と投資経験を、今回の協働にもたらす」 としている。

 

 CIPは、現在、米国、英国、ドイツ、スペイン、台湾の大規模なエネルギー・インフラ資産に20件、合計約8GWの容量を投資している。さらに、15件以上のグリーンフィールド・エネルギー・インフラ・プロジェクトが進行中で、これらも今後2~3年以内に最終的な投資決定と建設開始となる見通し。同社の7つのファンドには、北欧、欧州、英国、イスラエル、台湾、韓国、オーストラリアなどの機関投資家や、欧州投資銀行(EIB)などの国際公的金融機関、年金・生命保険等も投資家として参加している。

https://www.mhi.com/jp/news/story/20073001.html

http://cipartners.dk/mitsubishi-heavy-industries-and-copenhagen-infrastructure-partners-enter-into-joint-venture-to-develop-offshore-wind-in-hokkaido-japan/