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三菱重工、風力発電大手のヴェスタスと資本関係強化。本体の株式800億円強分を取得。グローバルに洋上風力発電事業を展開へ。グリーンボンドも11月に200億円分を発行へ(RIEF)

2020-10-30 14:44:22

mitsubisshijyuukou001キャプチャ

 

 三菱重工業は、風力発電の世界最大手のヴェスタス(デンマーク)と再生可能エネルギー分野でのパートナーシップ協定を結んだ。両社はすでに合弁会社を設立しているが、今回は三菱がヴェスタス本体の株を2.5%分(約835億円)分を取得し、関係を強化する。両社はグローバルな洋上風力発電事業を共同で推進していく。同時に、三菱重工は、11月中に同社初のグリーンボンド200億円を発行、国内の再エネ事業等の資金調達に充当することも明らかにした。

 

 三菱重工は2014年にヴェスタスと業務提携を結び、洋上風力発電事業のジョイントベンチャーMHI Vestas Offshore Wind A/S を両社半額出資で設立している。今回の提携強化では、この合弁会社の三菱重工の持ち分をヴェスタスが全額取得するとともに、三菱が新たにヴェスタス本体の株500万株(2.5%相当)を取得する。取得額は51億4000万デンマーククローネ(約835億円)となる。http://rief-jp.org/ct8/16574

 

 また三菱はヴェスタスに取締役を1人派遣する。資本関係を強化に加え、三菱が日本、アジア市場で保有するネットワークを通じて、ヴェスタスの風力発電事業の拡販も展開する。ヴェスタスは2025年までに洋上風力発電のグローバルリーディングプレイヤーを目指す、としている。両社は日本国内にヴェスタスの製造工場の設立も検討する。洋上風力発電事業が今後、日本やアジア市場で発展するとみられることへの対応だ。

 

 ヴェスタス社の Group President 兼 CEOの Henrik Andersen 氏は、「われわれはすでに陸上風力発電のグローバルリーダーだが、エネルギー転換を加速するために洋上風力事業でも大きな役割を果たす必要がある。長期的に洋上風力発電のリーディングプレイヤーを目指すわが社のビジョンを三菱重工が共有し、株主として経営にも加わってもらうことで、より一層のパートナーシップを強化できる」とコメントしている。

 

 三菱重工の泉澤清次社長は「よりクリーンで経済性の高いエネルギーへの世界的なニーズの高まりを背景に、これまで以上にヴェスタス社との協力・連携を拡大できることをうれしく思う。今後も、それぞれの強みを活かして事業連携し、日本を始め世界のクリーンエネルギーの成長を支えていきたい」としている。

 

 一方、三菱重工初のグリーンボンドは年内発行の予定。10月30日に、関東財務局に社債訂正発行登録書を提出した。発行額は200億円とされている。資金使途先は、再エネ・クリーンエネルギー事業(風力発電設備、事業・水素発電設備、事業・地熱発電設備、事業)に関連する新規または既存の事業・プロジェクト、としている。

 

 主幹事は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SMBC日興証券、みずほ証券、野村證券、大和証券、メリルリンチ日本証券の6社。グリーン性についてはSustainalyticsがグリーンボンド原則(GBP)等への適合を付与した。

https://www.mhi.com/jp/notice/notice_20102901.pdf

https://www.mhi.com/jp/news/20103004.html

https://www.mhi.com/jp/finance/stock/greenbond/pdf/gb_spo.pdf

この記事は、2020年10月31日2時44分に更新しました。