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関西電力、「船のEV化」を目指す「e5ラボ」の事業に参画。「EV船」を災害時等のBCP対応にも活用を目指す(RIEF)

2020-11-04 12:56:49

 

 関西電力が電気推進船「水上アーバンモビリティ」の開発に参加する。商船三井、三菱商事等が設立した「e5ラボ」(イーファンブラボ)と共同で、関西ベイエリアで遊覧事業や旅客事業に使える「EV船」を、2025年の大阪・関西万博に向けて開発することを目指す。災害時のBCP(事業継続計画)対策にも活用できるという。

 

 e5ラボは、商船三井、三菱商事のほか、旭タンカー、エクセノヤマミズの4社が共同出資して設立した。蓄電池を主たる動力源として、水素燃料電池や発電機等も活用して、内航海運用のEVタンカーやタグボート、遊覧船等に応用することを目指している。

 

kanden001キャプチャ

 

 関電は、同社と連携し、EV船の「水上アーバンモビリティ」と地上との間での充放電を⾮接触(ワイヤレス)で⾏うシステムを開発する。速⼒ 10ノット(約20km) 定員 60名を想定。充電双方向ワイヤレスで運航する。船の電力の充放電をワイヤレスで制御することで、地上側に隣接している事業所等のエネルギーマネジメントや BCP対策に活用できるとしている。

 

EV船へのワイアレス充放電の仕組み
EV船へのワイアレス充放電の仕組み

 

  ワイヤ充放電システムの活用によって、充放電装置の接触部分で生じる塩害課題を克服できるほか、重量のあるケーブルを持ち上げて充電する際の作業負担も軽減される。両社では、船舶の自動運転化に最も適した充電方式として位置付けている。

 

 日本の海運業界は、船舶のゼロエミッション化を促進するとともに、船員の人材不足への対応も求められている。EV船は船舶全体の電動化・自動運転化の促進にもつながる。また電動化に伴って騒音・振動が減少し、乗客や乗組員の快適性が向上するなどのメリットも期待される。

 

https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2020/1030_3j.html