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米カーライル・グループ、再エネ事業を展開する日本アジアグループへのTOB(株式公開買い付け)開始。日本アジアG経営者の「マネジングバイアウト(MBO)」を支援(RIEF)

2020-11-05 22:58:23

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 米大手投資ファンドのカーライル・グループが、日本で再生可能エネルギー事業等を展開する日本アジアグループを対象としたTOB(株式公開買い付け)を実施する。日本アジアG会長兼社長の山下哲生氏のマネジングバイアウト(MBO)を支援する形でもある。同社は5日の取締役会で、TOB受け入れに賛同し、株主に対してTOBへの応募の推奨を決議した。TOB後、日本アジアGは非上場会社となる。

 

 TOBの実施主体はカーライルグループがケイマン諸島に設立した「グリーンホールディングス エルピー」。日本アジアGの会長兼社長の山下哲生氏はTOB成立後の出資等も担い、引き続き経営を担う。買い付け価格は1株600円で、5日終値(352円)の1.7倍。取得予定の株式を全て買い付けると約160億円となる。

TOBの仕組み
TOBの仕組み

 

 現在の日本アジアGの株主のうち、山下氏(保有株数は発行済株式の1.79%)、JA Holdings(9.56%)、JA Partners(山下氏の資産管理会社、2.45%)、藍澤証券(12.56%)の合計26.37%の株主がTOBに賛同している。このため残りの73.63%がTOBの対象となる。

 

 TOBは6日から実施する。公開買付者は、日本アジアG株をすべて取得して、株式の非公開化を目 的とするため、買付予定数の上限を設定していない。応募株式等の総数が買付予定数の下限以上の場合は、応募株式等の全ての買付け等を行う、としている。

 

 TOBの成立後、山下氏やグリーンホールディングス等による再出資や自社株買いなどを経て、子会社で空間情報事業を手掛ける国際航業、同じく子会社で再エネ事業を手掛けるJAG国際エナジーの2社の株式についても、それぞれ過半を取得する。

 

 日本アジアGは、空間情報事業については、子会社の国際航業を中心にして、ドローンやリモートセンシングを活用した空間情報を活用した国土保全、防災・災害復興、行政支援等の事業を軸とし、社会インフラの整備・構築や気候変動で激化する自然災害対策等の活動を実施している。

 

 再エネ事業はJAG国際エナジーを中心に、太陽光発電等の再エネ事業を自社開発し、FIT(固定価格買取制度)を通じた売電事業や、自治体、 工場等向けの電力小売事業等を展開している。電源開発事業では太陽光発電事業に加えて、風力、バイオマス、地熱発電などへの多様化を進めるとしている。また森林活性化事業を手掛ける子会社も抱えている。

 

https://www.japanasiagroup.jp/wordpress/wp-content/uploads/2020-11-05_1.pdf