HOME |EU欧州委員会の「サステナブルファイナンス・プラットフォーム(PSF)」、タクソノミー・フレームワークを拡大し、社会タクソノミーを設定。まず人権等の3分野。近く原案公表(RIEF) |

EU欧州委員会の「サステナブルファイナンス・プラットフォーム(PSF)」、タクソノミー・フレームワークを拡大し、社会タクソノミーを設定。まず人権等の3分野。近く原案公表(RIEF)

2021-03-03 08:18:54

Humanrightsキャプチャ

 

 EU欧州委員会のサステナブルファイナンスのフレームワークづくりを進めている「Platform on Sustainable Finance(PSF:旧TEG)」は、現在、公表している気候緩和・適応分野のグリーン事業のタクソノミー(事業分類)をソーシャル(社会)分野に拡大する提言を欧州委員会に示した。対象とする社会分野はまず、人権、コーポレートガバナンス、生活水準の3分野とする。

 

 PSFは、サステナブルファイナンス行動計画として気候緩和と適応分野のタクソノミー案を取りまとめた技術専門家グループ(TEG)の次のステップへの展開の場として、昨年10月に欧州委員会内に設立された。PSFはタクソノミー規則に基づき、提案したタクソノミーの技術的なスクリーニングクライテリア等で欧州委員会にアドバイスをするほか、サステナブル投資の資金の流れのモニター、同ファイナンス政策等での助言等を担う。

 

 PSFは、タクソノミー規則のクライテリア等を担当する技術ワーキンググループ(TWG)のほか、5つのサブグループで構成される。このうち、ソーシャルタクソノミーを検討するサブグループが近く、検討結果を公表する。PSFは先週、欧州委員会に対して、これまでグリーン分野に集中してきたタクソノミーのフレームワークの整理について、社会分野に拡大する必要があるとして、当面、取り組む3分野を明示したという。

 

 まず、人権については、労働者や消費者、コミュニティでの人権問題のインパクトを整理する。コーポレートガバナンスでは、ロビー活動や反腐敗政策、透明性、反租税回避措置。3つ目の生活水準に関しては、基本的な人間の必要条件の達成、エッセンシャルな経済サービスやインフラへのアクセス、ディーセントワーク(働きがいのある仕事)、平和的でインクルーシブ(包摂的な)社会の促進、をあげている。

 

PSFの構成
PSFの構成

 

 EUタクソノミーの気候緩和と適応の基本柱は、科学を基盤に据えて、タクソノミーを整備した。これに対して、社会タクソノミーを選定する場合の柱としては、国連の人権宣言や持続可能な開発目標(SDGs)等のような、国際的な規範や目標に基づく必要があるとしている。

 

 社会タクソノミーについては、タクソノミーの対象として、社会的セーフガードの最小基準を伴った社会的目標とコンプライアンスのためのタクソノミーの基本フレームワークを示すとみられる。検討案はパブリックコンサルテーションを経て、第三四半期に最終報告を示す予定。

https://rief-jp.org/ct4/108029

https://ec.europa.eu/info/business-economy-euro/banking-and-finance/sustainable-finance/overview-sustainable-finance/platform-sustainable-finance_en