HOME |英財務省、初のグリーンボンド国債を2021年度中に150億ポンド(2兆2000億円)超発行へ。個人向けグリーン貯蓄国債も。グリーン性に加え、雇用等の社会的ベネフィットにも配慮(RIEF) |

英財務省、初のグリーンボンド国債を2021年度中に150億ポンド(2兆2000億円)超発行へ。個人向けグリーン貯蓄国債も。グリーン性に加え、雇用等の社会的ベネフィットにも配慮(RIEF)

2021-03-04 12:02:32

UKt001キャプチャ

 

  英財務省は3日に公表した2021年予算で、今年の夏ごろに英国初のグリーンボンド国債を発行することを明らかにした。年間を通じて追加発行し、21年度中に最低でも150億ポンド(約2兆2000億円)分を発行する。同国債発行計画の一環として個人向けのグリーン貯蓄国債も発行する。資金使途は気候変動対策やその他の環境・インフラ事業を対象とする。また「グリーン+」として雇用創出や生活の質向上等の社会的ベネフィットを高めることも想定しているという。

 

 英国の国債は「ギルト」と呼ばれるので「グリーンギルト」となる。6月にはグリーンボンド全体の発行条件を整えた「グリーンギルトフレームワーク」を発表する予定だ。発行するグリーンボンド国債の一部には、個人向けのグリーン貯蓄ボンドも発行する。

 

 個人向けの「グリーン貯蓄国債」は英国の公的な貯蓄金融機関である国民貯蓄投資機構(NS&I)が代行する形で発行する。再生可能エネルギー事業や、電気自動車(EV)用のチャージングポイント、省エネ事業等の国民にとって身近なグリーン投資へのファイナンスをうたうことで、資金調達とともに国民の気候・環境対策意識を高めることも想定しているようだ。

 

 「グリーン+」の社会的ベネフィットについては政府が支出するグリーンプロジェクトに際しての雇用創出や地域住民の生活の質向上等を評価することになる。具体的な評価・選出のクライテリア等はフレームワークで示されるとみられる。

 

 グリーンボンド国債は、すでに仏、独、オランダ等多くの欧州諸国を中心に発行が進んでいる。東京市場でも昨年、ハンガリーは円建てのサムライグリーンボンド国債を発行している。日本も政府が宣言した「2050年ネットゼロ」についての国民及び市場の確信を得るには、グリーンボンド国債の発行が有力手段といえる。

https://www.gov.uk/government/news/budget-2021-what-you-need-to-know