HOME |金融庁、コーポレートガバナンスコードに「サステナビリティ課題」への取り組みを求める改定案を公表。「基本方針」設定、「枠組み」整備、ステークホルダーとの「対話」、を求める(RIEF) |

金融庁、コーポレートガバナンスコードに「サステナビリティ課題」への取り組みを求める改定案を公表。「基本方針」設定、「枠組み」整備、ステークホルダーとの「対話」、を求める(RIEF)

2021-04-07 14:58:17

FSA001キャプチャ

 

 金融庁は6日、コーポレートガバナンスコードのフォローアップ会議の提言を公表した。東京証券取引所が来年4月に発足させるプライム市場に向けて、取締役会の機能強化等の提案を盛り込んだほか、気候変動を含むサステナビリティ課題の取り組みについて、企業の取り組みポイントを整理した。同提言を受け、東証はガバナンスコードを改定する。

 

 提言は「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(座長:神田秀樹学習院大学大学院法務研究科教授)がまとめた。それによると、サステナビリティについて、「ESG要素を含む中長期的な持続可能性」と位置付けた。http://rief-jp.org/ct4/112419

 

 そのうえで、「企業価値の中長期的な向上に向けて、リスク、収益機会の両面でサステナビリティを巡る課題へ積極的・能動的に対応する重要性が高まっている」と指摘。日本企業では従来からE(環境) 要素への注目は高いが、近年、人的資本への投資等のS(社会)要素の重要性も強調され、知的財産に関しても、国際競争力の強化の観点から、より効果的な取組みが望ましいとの指摘もあるとしている。

 

 これらの点を踏まえ、企業の取締役会は、中長期的な企業価値の向上の観点から、 自社のサステナビリティを巡る取組みの「基本方針の策定」が求められる、とした。加えて、サステナビリティに関する委員 会を設置するなどの「枠組みの整備」や、ステークホルダーとの「対話」等も含め、サ ステナビリティへの取組みを「全社的に検討・推進」することが重要とした。つまり体制整備である。

 

 サス テナビリティ要素として取り組むべき課題としては、全企業共通のものもあれば、各企業の事情で異なるものも存在するとした。そのうえで、各社が主体的に自社の置かれた状況を的確に把握し、取り組むべきサステナビリティ要素を個別に判断することが重要とした。「自社によるサステナビリティ課題の特定」である。企業はそうすることで、サステナビリティへの対応を、形式的ではなく、実質的に行えるためだ。

 

 企業が持続的な成長に向けた経営資源の配分に際しても、人的資本への投資や知的財産の創出が企業価値に与える影響が大きいとして、人的資本や知的財産への投資等の経営資源の配分等が、企 業の持続的な成長に資するよう、実効的に監督が必要とした。投資家と企業がサステナビリティに関して建設的な対話を促進するためには、サステナビリティに関する情報開示が重要とした。

 

 このうち特に、気候変動の情報開示では、現在、TCFD提言が国際的に確立された開示の枠組みとなっている。さらに、国際会計基準の設定主体のIFRS財団もTCFDを踏まえつつ、気候変動を含むサステナビリティに関する統一的な開示の枠組みの策定を進めている。提言はこの点に触れ、「比較可能で整合性の取れた気候変動に関する開示の枠組みの策定に向け、わが国もこうした動きに積極的に参画することが求められる」とした。

 

 IFRS財団は11月に予定する(現在、延期論もある)国連気候変動枠組条約第6回締約国会議(COP26)までに、サステナビリティ会計基準機構(SSB)の設定の概要を固める予定で作業を進めている。提言は、日本も同作業への期待を示した。また、中長期的な企業価値向上に向けた人的資本や知的財産への投資等の情報開示も重要とした。こうしたサステナビリティ分野への将来的な投資等のためには、投資戦略の実行を支える営業キャッシュフローを十分確保するなど、持続的な経営戦略・投資戦略の実現を求めている。

 

https://www.fsa.go.jp/news/r2/singi/20210406/01.pdf