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東京電力格付けで、格付け機関の“内外格差“ 歴然。 海外はジャンク債扱いなのに、R&I  JCR の国内2社は いまだ優良企業扱い(FGW) 

2011-06-27 18:47:24

原発賠償支援法案が国会に提出され、東電支援が模索されているが、現時点では法案の修正を含めて、成立の展望は未定。多くの東電株保有企業が同株を減損処理対象としているにもかかわらず、市場の羅針盤にあたる格付け会社の評価が、内外で大きく異なっている。国内の格付け2社は、依然、同社を優良企業扱いしている。 東電に対する格付けは、主要海外格付け機関のS&PがB+、Moody’sがB1と、いずれも投資適格先とは一線を画するジャンク債のランクに落としている。いずれも事故時にはAA格(Moody’sはAa2)と,日本企業では最上位扱いだったが、何度かの見直しの後、5月には現在の扱いとしている。 これに対して、日本の格付け機関である日本経済新聞社系の格付け投資情報センター(R&I)は事故後、3回の見直しを実施、当初のAA+からはさすがに引き下げたが、それでもA-と、A格を維持している。一方の日本格付け研究所(JCR)は、事故後、4月に一度だけ見直し、それまでのAAAからAAに下げただけ。  JCRは元大蔵官僚が代表を務め、R&Iも政府のOBを受け入れている。また、この4月には財務省元次官を顧問に迎えている。ともに金融庁の指定格付け機関で、R&Iは「中立・公正で偏りのない情報をいち早く、的確に、幅広くお伝えするのが我々の努めであると考えています」と公表している。東電評価のこの内外格差について、市場はどちらに軍配を上げるだろうか。