イタリア警察、野村ホールディングスの資産134億円差し押さえ シチリア州での不正取引疑惑(WSJ)
2014-07-29 17:31:48
【ミラノ】イタリアの財務警察は28日、野村ホールディングスの英国法人、野村インターナショナルの資産約9800万ユーロ(134億円)を差し押さえたと発表した。元社員とシチリア州との金融取引で詐欺行為があったとしている。
財務警察によると、一連の取引でシチリア州が被った損失は1億7500万ユーロ。
州都パレルモの検察当局は、野村の元社員4人と外部コンサルタント3人を詐欺容疑で捜査している。財務警察はこの7人からも合計650万ユーロを押収した。
資産の差し押さえは、検察の捜査を監督するモロシーニ判事が命じた。検察は野村がこうした取引で不正に得たとされる利益とほぼ同額の差し押さえを要求し、判事がこれを承認した。
野村インターナショナルは電子メールで「2000〜06年の野村とシチリア州との取引に関連し、検察が捜査していることは認識している」とし、「状況を精査し、検察当局に協力する」と述べた。広報担当者はこれ以上のコメントは差し控えた。
財務警察の調べでは、シチリア州は州内の医療機関の債務(約6億3000万ユーロ相当)を証券化して野村に売却したが、野村に支払うことになった金利が市場金利よりも高かったため1億1500万ユーロの損失が出た。さらに野村がかかわった3種類の債務再編契約に関しても計6000万ユーロの損失を被ったとしている。
警察によれば、野村の元社員には契約上の便宜を図るため関連情報を故意に隠した疑いがもたれている。
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304126704580057910714889000?mod=djem_Japandaily_t