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フジテレビの年金基金「フジ厚生年金基金」 国連の責任投資原則(PRI)から除名。報告フレームワーク提出できず(FGW)

2014-09-08 00:18:58

PRIキャプチャ
PRIキャプチャ国連の責任投資原則(PRI)に署名していたフジテレビの年金基金であるフジ厚生年金基金が、PRIが署名機関に求めていた報告フレームワークを作成できず、除名されていたことがわかった。

 

PRIへの署名機関は、世界の年金基金や資産運用会社など、合計1270社、運用総額45兆㌦に上っている。PRIは単に精神的な賛同に基づいて署名するだけではなく、環境や社会、ガバナンス(ESG)の価値を投資判断に加味して、その運用実績を公表することを求められる。日本では金融庁がスチュワードシップ・コードを立ち上げ、コードへの署名を金融機関等に求めているが、こちらは、投融資の実績の公表等を求められない緩い基準となっている。

 

今回、PRIから除名されたのはフジ厚生年金基金を含め4社。フジ以外は米国の資産運用機関2社、スウェーデンの同機関1社で、資産保有機関としての除名は、フジだけ。

 

PRIは、2006年に当時の国連事務総長コフィー・アナン氏が金融業界に対して提唱したイニシアティブ。年金基金などの機関投資家の意思決定プロセスに、ESG課題(環境・社会・ガバナンス)を反映させるためのグローバル・ガイドラインとして普及しており、UNEP(国連環境計画)や国連グローバル・コンパクトが推進している。日本では、資産運用会社は20社が署名しているが、資産保有の年金基金の署名は、これまで6社と限られていた。

 

日本の年金基金の署名数が少ないのは、単に署名するだけではなく、PRIの6原則に基づく報告義務が課せられることがネックとなってきたとされる。フジ年金基金はその数少ない署名機関だったが、PRIが昨年から導入した新たな報告フレームワークに基づく情報開示に対応できず、除名(delist)という不名誉な処分を受けた。フジ厚生年金の除名により、日本の署名資産保有機関はキッコーマン年金基金、セコム年金基金、太陽生命保険、東京海上日動、損保ジャパン日本興亜の5機関だけとなる。

 

http://www.unpri.org/whatsnew/pri-publishes-annual-list-of-delisted-signatories/