HOME9.中国&アジア |タイの石油精製販売大手企業がグリーンボンド発行。「グリーン」の定義論争に(FGW) |

タイの石油精製販売大手企業がグリーンボンド発行。「グリーン」の定義論争に(FGW)

2015-03-14 21:09:05

「グリーンなエネルギー」としてガソリンスタンド展開
「グリーンなエネルギー」としてガソリンスタンド展開
「グリーンなエネルギー」としてガソリンスタンド展開


温暖化対策の資金調達手段としてグリーンボンドの発行が相次いでいるが、石油会社による初のグリーンボンド発行があり、グリーン論争が起きている。

石油会社として初めてグリーンボンドを発行したのは、タイのバンチャック石油精製販売会社。同社は、タイ政府が過半の株を持つ公営企業だが、このほど30億バーツ(約9200万㌦)のグリーンボンドを発行した。調達した資金はすべて太陽光発電やバイオマスなどの再生可能エネルギー投資に振り向けるという。ボンドの償還期間は12ー15年、主幹事はスタンダードチャータード銀行。

ボンドはタイ国内の6つの生保会社などに購入された。バンチャックはタイ最大の石油精製会社であり、ガソリンスタンドを1100か所ほど国内と隣国のマレーシアに展開しており、石油製品の小売にも力を入れている。また「グリーンエネルギー エクセレンス」を経営ビジョンに掲げ、再生可能エネルギー普及に取り組んでいる。

環境NGOなどは、「ボンドの資金は再生エネ事業に向けられるとしても、同社の主要業務の石油精製や石油製品販売は温暖化加速につながっている。”グリーンウォッシュ”ではないか」との指摘が出ている。また今回のボンド調達の使途に、熱帯林伐採につながるパームオイル開発などが含まれているとの懸念も出ている。

資金使途はグリーンでも、企業自体がグリーンとみなされない場合、投資家の投資行動もESG配慮といえるのか、あるいは単なる投資と位置付けるべきなのか。グリーンボンド自体に、万国共通の基準がないだけに、何を持ってグリーンというのかという問いへの答えは、投資家自身の判断にゆだねられているのが現状だ。

グリーンボンドの標準化の議論が一段と高まりそうだ。

 

http://www.bangchak.co.th/(S(hm15ieupanwzlz550u5wskqz))/en/index.aspx