英非営利団体Climate Bonds Initiative 中国でのグリーンボンド普及のため中国語版のウェブサイト、レポート作成。日本市場は素通りされた感じか（RIEF）
2015-11-17 00:57:01
英非営利団体のClimate Bonds Initiative（CBI）は、中国のグリーンボンド市場拡大に備えて、CBIの中国版ウェブサイトをオープンするとともに、中国版のグリーンボンド報告書を発行した。
CBI代表のSean Kidney氏は、10日に北京で開いた中国SIF主催の責任投資に関する第三回年次総会で講演した。その中で、同氏は中国が気候変動で被る影響の大きさを指摘、グリーンファイナンスの推進によって、温室効果ガス削減と、気候変動対応のプロジェクトを支援する新たな金融市場を作り上げる必要がある、と強調した。
そうした中国でのグリーンファイナンス(緑色金融）の推進に資するため、CBIは中国版ウェブサイトや中国版レポートを作成、中国でのグリーンボンド市場発展に活用されることへの期待を表明した。CBIが作成した中国版のグリーンボンドレポートは、HSBCとの協力でまとめた。
Kidney氏は「レポートの目的は、中国のグリーンボンド発行体や投資家に、世界のグリーンボンド市場の動静を伝えることにある。中国市場でグリーンボンド市場を育て、発展させるか、というアドバイスを網羅した」と述べている。
中国では今年に入ってグリーンボンドの発行が増え始めた。7月に、風力発電事業を世界的に展開しているゴールド・ウィンドが14億㌦のドル建てのグリーンボンドを発行し、香港証券取引場に上場した。（参考：http://rief-jp.org/ct4/53609）
また太陽光発電事業のインリー・グリーンエナジー社が、同じく7月の初めに、中国国内での太陽光発電事業をファイナンスするための個人向けプロジェクトボンドを2000万人民元（約320万㌦）発行している。
さらに、10月には4大国有銀行の一つ中国農業銀行（ABC）が、中国の金融機関として初となる認証ラベル付きのグリーンボンドを発行した。ABCは今回のグリーンボンドで調達した資金を、中国政府が推進する再生可能エネルギー事業やエネルギー効率化事業等に融資する計画。
中国政府は、2020年以降の温室効果ガス削減目標を達成するため、GDPの3％を再エネや省エネ等のグリーン分野に投じる計画を立てている。この目標を実現するためには、今後5年間で年間2兆人民元(約3230億㌦）の投資を展開することになり、その資金調達にグリーンボンドの活用が期待されている。
Research Institute for Environmental Finance