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三菱総研と三菱UFJモルスタ証券 不採算のソーラー事業も買取り対象とする「メガソーラーファンド」設立。規模は約500億円(各紙)

2016-01-19 17:28:42

MRIキャプチャ

 三菱総合研究所(MRI)は三菱UFJモルガン・スタンレー証券(MUMSS)と連携し、新規着工から既存の運用中のものを含め、多様な太陽光発電事業に投資する「メガソーラーファンド」の設立で合意した。ファンドの規模は約500億円の見通し。

 

 今回のファンドの特徴は、固定価格買取制度(FIT)を前提に操業したか、あるいは操業見込みであるものについても、FIT制度の見直しや、想定通りの売電が十分にできないようなメガソーラーについても買取対象とする点。、ファンド全体での採算性の維持を念頭に、不採算事業や、投資予定の建設予定地などについても、割安価格でファンドに組み込む方針。

 

 不採算事業については、電力大手傘下の工事会社などと連携して、運営を効率化し、「再生」することで採算性を高められる、と踏んでいる。MRIが購入対象となる既存のメガソーラーや建設予定地を調べ、採算性が見込めるプロジェクトごとに特別目的会社(SPC)をつくる。今後3年で10件以上の買収をし、総発電出力は10万kW以上を確保する計画という。将来的には太陽光発電以外の再生可能エネルギー発電事業もファンドに組み込む方針。

 

 MUMSSは年金基金など国内の機関投資家に働きかけて、ファンドへの出資を仰ぐ。またこれまでの各種ファンド組成の実務経験を生かしてファンド組成業務を担う。MRIは、これまでも熊本と兵庫の2カ所でメガソーラーの発電事業を直接手がけており、今回のファンドによる買収・運用を含めて運営のアセットマネジメント業務を担う。

 

 FIT制度に基づいて一気に拡大した太陽光発電所は現在、約2000万kWの発電容量を抱えている(2015年9月時点)。ただ、安価な海外製発電パネルの使用や保守管理を怠るなどの理由で発電量が想定を下回る施設が目立ち、買い取り期間の20年間を待たずに売却する動きが出ているという。

 

 政府の認定を受けながら発電を始めていない設備は稼働設備の3倍近い約5600万kW分に相当する。経済産業省は毎年のようにFITの太陽光発電買取価格を引き下げており、建設予定地を取得したものの、開発できない事例が増大しているとみられる。

http://www.mri.co.jp/news/press/announcement/021572.html