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日本の製造業の温室効果ガス排出削減。2030年度の政府目標を「10年前倒し達成」可能。日経調査で企業の平均評価が判明(各紙)

2016-01-24 23:31:52

GHG2キャプチャ

 

 日本経済新聞の調査によると、主要製造業は2020年度の温暖化ガス国内排出量を2013年度比で5.9%減らせるとみていることが分かった。政府目標では産業部門の削減率は30年度までに同6.5%減としているが、民間の”本音”は前倒し削減可能ということのようだ。

 

 調査は、日経の「環境経営度調査」。日本の主要企業が政府目標よりも削減余地が大きいことを認めるのは、グローバル競争を進めるなかではコスト低減につながる省エネを重視しているほか、米欧の企業が得意とする企業の社会的責任(CSR)の分野でも明確な姿勢を打ち出す必要があるなどの要因が後押ししているとみられる。

 

 日経の調査は昨年8~11月に実施、非製造業を含む705社が回答した。製造業で2020年度の温暖化ガス排出量見通しを回答したのは233社。回答企業の合計排出量は2013年度時点で国内製造業の約半分を占める。

 

 業種別の排出削減幅では、国際競争が著しい自動車・部品(15.8%減)や機械(8.6%減)が大きく、いずれも20年度時点で政府目標の削減率を超過達成する見通しを示した。

 

GHGキャプチャ

 わが国の温室効果ガス排出量を部門別でみると、工場などの産業部門の排出量は2005年比で6.5%減と改善しているが、排出総量のウエイトとしては全体の35.9%ともっとも多い。

 

GHGemissionキャプチャ

 

 政府が設定する2030年度の排出削減目標として13年度比26 %削減を掲げ、その達成に向けて、産業部門の大半を占める製造業について同6.5%減としている。これに対して、環境NGOなどからは、産業部門の目標設定が甘い、との批判が出ていた。今回の調査は、産業部門で排出量の多い製造業の削減余力は政府想定よりもあることを示唆した形だ。

 

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ23H3B_T20C16A1MM8000/