HOME9.中国&アジア |YKK バングラデシュの現地法人工場で太陽光+ディーゼルのハイブリッド発電導入へ。日本政府のJCMの対象に。事業費半額を政府補助で(各紙) |

YKK バングラデシュの現地法人工場で太陽光+ディーゼルのハイブリッド発電導入へ。日本政府のJCMの対象に。事業費半額を政府補助で(各紙)

2016-02-17 18:20:15

YKKキャプチャ

 

 各紙の報道によると、ファスナー大手のYKKは、バングラデシュのダッカ工場に太陽光発電とディーゼル発電を組み合わせたハイブリッド発電システムを導入する。新たな発電システムは、日本の協力で途上国のCO2排出量を削減する「2国間クレジット制度」(JCM)の対象となる。

 

 ハイブリッド発電システムを導入するのは、同社の現地法人であるYKKバングラデシュの工場。2000年に設立し、その後数度の増築拡張を進めている。敷地面積50,443㎡、従業員約800人。製造したファスナーは同国内に進出している欧米アパレルメーカーに提供している。

 

 導入するシステムは日本の京セラ製。電力を制御する燃料削減コントローラーと太陽電池が一体化しており、ディーゼル発電と太陽光発電のバランスを最適化できるのが特徴という。

 

 バングラデシュは電力インフラが不十分で、工場での生産に際しては、工業団地供給の系統電力からの購入に加え、自社のディーゼル発電を併用して電源を賄ってきた。しかしディーゼル発電は燃料費がかさむほか、CO2排出量が多いことが課題となっている。

 

 新システムはすでに設置しているディーゼル発電機を活用してシステム化するため、その分、初期投資額を抑えられる。バングラデシュは日照が豊富なため、好天時は太陽光発電を優先的に活用し、天気が悪化して太陽光発電量が急減した時にディーゼル発電機を稼動させる仕組みだ。

 

 現在、太陽光パネルを工場内に設置中で、年内の稼動を目指している。これによってディーゼル発電の稼動量を抑え、初年度で燃料を年間9万㍑、CO2排出量は年間265㌧削減できる見込み。投資額は公表していない。

 

 

 

 バングラデシュと日本は2013年にJCMを締結しており、YKKの今回の新発電システムは現地法人に導入するため、途上国に導入した技術や製品で削減できたCO2排出量の一部を日本国内の排出削減量と見なすJCMの適用対象となる。同制度では事業費の半額を日本政府から補助を受ける。

 

 YKKは海外70カ国・地域に拠点がある。インドでは農業廃棄物からできた固形燃料を使用するバイオマスボイラーを導入するなど、各拠点で環境への取り組みに力を入れている。太陽光発電は米国や中国でも取り入れているが、ディーゼル発電と組み合わせて自動制御するシステム導入はバングラデシュが初めて。同社は今回の導入を皮切りに「他国への展開も検討していく」としている。

https://www.ykk.co.jp/japanese/