HOME4.市場・運用 |責任投資の国際会議「RI Asia 2016」 東京証券取引所で始まる。国連責任投資原則(PRI)理事会議長がGPIFのグローバルな役割に期待を表明(RIEF) |

責任投資の国際会議「RI Asia 2016」 東京証券取引所で始まる。国連責任投資原則(PRI)理事会議長がGPIFのグローバルな役割に期待を表明(RIEF)

2016-02-23 21:38:30

RIAsiaキャプチャ

 

 環境・社会・ガバナンス(ESG)要因を踏まえた責任投資への理解を深めるための国際会議、第5回「RI Asia2016」が23日から2日間の日程で、東京・日本橋兜町の東京証券取引所で始まった。

 

 会議には、欧米の年金基金やESG評価関係者をはじめ、日本からも資産運用関係機関が多数参加した。国連責任投資原則(PRI)の理事会議長のマーチン・スカンケ氏が基調講演に立った。

 

 同氏は、日本が導入したスチュワードシップコードが触媒となって責任投資への理解が日本市場で急速に広がっていることを賞賛、「日本のリーダーシップを他のアジア諸国に波及することを期待する」と述べた。

 

 またPRIへの署名機関として、昨年は年金積立金管理独立行政法人(GPIF)が加わったほか、日本の署名機関数が40機関に達したことにも触れ、PRIが新たに設置した資産保有機関で構成するアドバイザリーボードにGPIFから資産運用業務担当理事の水野弘道氏が参加したことを指摘。「GPIFがグローバルにもリーダーシップを発揮してもらいたい」と強調した。

 

 PRIは今年で設立以来10周年となる。10周年記念の記念会議を4月14日にニューヨークで開くほか、ロンドン6月、シンガポール9月(総会)を開くことを明らかにするとともに、「大事なことは過去を振り返るよりも、フォワードルッキング(先を見る)ことだ」と指摘した。PRIは組織のガバナンス問題、説明責任改善の可否等を検証するため、署名機関を対象とした調査を実施中で、2017年初めにも、「次の10年」を視野に置いた責任投資の青写真を打ち出す方針。

 

2016-02-23 15.55.49

 

 初日のセッションでは、日本の大学として初めてPRIに署名した上智大学の引間雅史財務担当理事補佐がパネルに出席。金融庁と東京証券取引所が実施しているスチュワードシップ・コードの取り組み方針等の最新の公表状況について、原則1から7までのほとんどの項目で、80%以上の取り組み回答が示されていることに触れ、「こうした自己評価と実際の実施状況には差があるのではないか」と資産保有機関の実感を語った。

 

 また米CalPERS(カリフォルニア州職員退職年金基金)のボードメンバーのPriya Marthur氏は、投資先企業のカーボンフットプリントを調べたところ、フットプリント(CO2排出量)の50%は投資先の80の企業からの排出に集中していたと明らかにし、ESG対応は一律ではなく、重要度に応じてフォーカスする必要性を語った。

 

 会議は24日も開かれる。同会議には環境金融研究機構(RIEF)も「サポーター機関」として参加している。

 

http://rief-jp.org/event/58586?ctid=32

https://www.eiseverywhere.com/ehome/156285/Agenda/