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使用済み太陽光パネル 一括で「再利用・リサイクル・廃棄処理」する新会社誕生。FIT期間終了後の大量廃棄に備え(各紙)

2016-02-29 17:36:55

used solarpanelキャプチャ

 

 各紙の報道によると、使用済みの廃棄太陽光パネルを回収・リサイクルする会社が、廃棄物会社や、パネル企業などの協力で3月1日に設立される。新会社「アールツーソリューション」(東京・中央)で、2017年にも本格的に事業を開始する。

 

 太陽光パネルの廃棄物量は現在、約2400㌧とみられるが、環境省の試算によると、今後、20年間の固定価格買取制度(FIT)の適用対象外となった段階で、大量の廃棄物となる可能性がある。環境省の試算では。、2030年代には最大で年間80万㌧にのぼるとみられている。

 

 こうした大量の廃棄物化が想定される一方で、現在は一括して回収する仕組みは整っていない。使用済み太陽光パネルの中には、まだ十分使えるものもあるほか、逆にはんだに利用する鉛などの有害物質が含まれている場合もある。

 

太陽電池モジュールの排出量見込み
太陽電池モジュールの排出量見込み

 

 このため、新会社は、再利用とリサイクル、廃棄物処理を組み合わせた処理をビジネスとして展開する考えという。新会社の設立には、廃棄物処理の市川環境エンジニアリング(千葉県市川市)、太陽光パネルの再利用を手掛けるネクストエナジー・アンド・リソース(長野県駒ケ根市)、破砕機メーカーの近畿工業(兵庫県三木市)、パチンコ台のリサイクルなどを手掛けるリサイクルテック・ジャパン(名古屋市)が参加する。

 

 老朽化したパネルだけでなく、台風などで破損したものなども対象として全国から受け入れる。それらを新会社が検査し、再利用が可能な場合はネクストエナジーの販路で販売し、不可能な場合は、リサイクルテック・ジャパンが名古屋市に保有する太陽光パネル専用の設備で分解、パネルから、アルミやガラス片、銀などを素材ごとに取り出して、再利用する。

 

 参加企業のうち、ネクストエナジー社はこれまでも、中古太陽光パネルの再利用などのビジネスは行っている。しかし、再利用できないものは、そのままリサイクル業者に引き渡していた。今回の新会社は、再利用とリサイクル、廃棄の仕分けと流れを一括して行うことになる。

http://www.nextenergy.jp/