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日本の2014年度の温室効果ガス排出量 前年度比3.1%割れ。減少はリーマン危機直後の09年度以来。ただ、90年度比では7.3%増の高い水準(RIEF)

2016-04-15 19:53:30

GHGキャプチャ

 

 環境省は15日、2014年度の国内の温室効果ガス(CO2換算)排出量が前年度比3.1%減の13億6400万㌧だったと発表した。温室効果ガスの排出量が前年度を下回ったのは、リーマン・ショックで景気減退の影響を受けた09年度以来。ただ、1990年度比では7.3%増となっている。

 

 14年度までは国内の温室効果ガス排出量は、東京電力福島第一原発事故の影響で、石炭火力発電などが増えたため、増加基調が続いていた。

 

 しかし、14年度は再生可能エネルギーの利用促進などで電力の排出原単位が改善したほか、家庭や企業での省エネの定着によって電力消費量が減少していることなどの影響で、低下に転じたとみている。

 

 温室効果ガスの種類別にみると、2005年度の総排出量(13億9,700万㌧)と比べ、温暖化係数の高いハイドロフルオロカーボン類(HFCs)は、オゾン層破壊物質からの代替に伴い排出量が増加した。エネルギー起源のCO2は産業部門や運輸部門で排出量が減少し、全体で2.4%(3,300万㌧)減った。

 

GHGsectorキャプチャ

 京都議定書に基づく吸収源活動による2014年度の吸収量は、5,790万㌧(森林吸収源対策により4,990万㌧、農地管理・牧草地管理・都市緑化活動により800万㌧の合計)だった。

 

 政府は2020年までの自主目標として05年比3.8%削減を掲げている。環境省は、14年度の排出量は05年度比では2.4%削減で、これに森林吸収量の5790万㌧を加えると6.5%減となり、2020年度までの自主目標を前倒しで達成した、と評価している。

 

 ただし、京都議定書の基準年の90年度比では依然プラスの水準で、同目標(90年度比6.0%削減)に比べると、森林吸収源を加えても、大幅増加の状態だ。

 

http://www.env.go.jp/press/102377.html