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北極圏に黒い氷。微生物の大量繁殖が原因、四国の1.5倍の大きさ。太陽光吸収し氷床融解を加速か(東京新聞)

2016-05-07 20:23:04

architecキャプチャ

 

 温暖化が進む北極圏グリーンランドで、微生物が大量に繁殖し氷床が黒くなる現象が確認され、二〇一二年には黒い部分の面積が、四国の一・五倍に相当する約二万七千平方キロメートルに拡大したことが、千葉大の竹内望教授(雪氷生物学)らの衛星画像を使った調査で分かった。国際科学誌電子版に発表された。

 

 竹内教授は「黒い氷は太陽光を吸収しやすい。気温上昇に加え、さらに融解を速める一因となっている可能性がある」と指摘している。

 

 竹内教授によると、黒い氷の原因は藻類やバクテリアなどの微生物などに由来する「クリオコナイト」と言われる直径一~二ミリの物質。クリオコナイトが底にたまった氷床の穴が気温の上昇で解け、氷床の表面に散らばって、氷が黒く見える。

 

 研究では、〇〇~一四年にわたり、七月のグリーンランドの氷床を調査・解析。「黒い氷」の面積は十五年間の平均で氷の露出面の約6%を占め、一年に七百三平方キロメートルの速さで広がっている。最も面積が広がった一二年には〇〇年の七・六倍となる約二万七千平方キロメートルに達した。

 

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、一二年九月には北極海を覆う海氷の面積が三百四十九万平方キロメートルとなり、観測史上最小記録を更新した。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016050702000254.html