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中部ガス 燃料の大半を輸入パームヤシ殻依存のバイオマス発電所建設へ。CO2排出量、生態系保全が課題(RIEF)

2016-05-12 13:22:08

PKSキャプチャ

 

 中部ガス(愛知県豊橋市)は11日、発電事業子会社を設立、豊橋市の臨海部に事業費100億円をかけて、木質バイオマス発電所を建設すると発表した。ただ、発電原料の大半は、東南アジアからのパーム椰子殻(PKS)で、輸送時や現地での伐採時にCO2を排出する。

 

  バイオマス発電所は、新設する子会社の「サーラeパワー」社が運営・管理する。発電規模2万2100kW、年間発電量1億5000万kW時で、一般家庭の年間使用電力で約4万世帯分という大型案件となる。発電所は年内に着工し、2018年末に完成、19年4月から本格稼動を予定しているという。発電した電力は固定価格買い取り制度(FIT)を利用して売電するとしている。

 

 大型のバイオマス発電では、燃料確保が課題となるが、中部ガスの場合、大半を輸入PKSに依存する。5%程度は愛知県東部や静岡県西部のスギやヒノキの林地残材のほか、製材端材などの地元産未利用木材で賄うという。

 

 環境省の再生可能エネルギー情報開示研究会は今春、バイオマス発電について、PKS等を使う場合のCO2排出量や、現地での違法伐採がないかどうかなどの情報開示を求める報告書をまとめている。中部ガスは電力小売事業にも参入しており、売電等に際して、顧客向けの情報開示が課題となる。

 

 中部ガスは今年7月に、同市を拠点とするサーラコーポレーションの完全子会社になることが決まっている。サーラグループとして発電から電力小売り、ガス事業までを手掛ける体制を整える、としている。

 

 サーラグループは4月からの電力小売り自由化に合わせ、小売事業にも参入している。5月10日時点で中部電力管内で約5000件の契約を獲得したという。

 

http://www.chubugas.co.jp/pressrelease/20160511-setsuritsu/upload/160511-setsuritsu.pdf