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福岡工業大学 九州に多い焼酎粕を利用した超高速充電可能な蓄電池開発。焼酎の種類によって蓄電量が異なるらしい・・(RIEF)

2016-05-13 15:52:25

 

 福岡工業大学(福岡県福岡市)は11日、焼酎製造時に生じる「焼酎粕(かす)」を活用した低コストで超高速充電が可能な蓄電池を開発したと発表した。

 

  開発に成功したのは、同大学工学部電気工学科の田島研究室。この蓄電池は「電気二重層キャパシタ」タイプで、通常の蓄電池と比較して、貯められる電気の量は劣るものの、短時間で充放電する瞬発力に優れており、繰り返しの使用に非常に強いという。

 

 「電気二重層キャパシタ」は、活性炭の表面にある微細な隙間に多数のイオンが付着したり放出されたりする現象を利用した蓄電池をいう。今回の開発では、この活性炭を焼酎粕から作成した。焼酎粕は福岡県久留米市の紅乙女酒造から提供を受けた。

 

 焼酎粕使用の活性炭は、従来から使われてきたヤシ殻由来の活性炭と比べて、イオンを表面に保持する能力が約13%向上した。その活性炭を電気二重層キャパシタの電極として応用した。

shochuuキャプチャ

 

  おもしろいことに、焼酎の種類によって蓄えられる電気の量が異なるという。ただし、焼酎の味と、蓄電量に関係があるかはわかっていない。短時間で充放電できることと、繰り返しの使用に非常に強いことから、将来は電気自動車(EV)の回生電力や、小型モバイル機器、家庭用の蓄電池などへの実用化が期待される。

 

 また焼酎粕は廃棄物であるため手に入りやすい。実際、焼酎製造業者の多い九州地方では大量に発生し、その処理と有効活用が課題となっている。また従来の蓄電池のように希少なレアメタル等を用いないため、製造コストが低く抑えられる。充電、放電の際に劣化が少なく長期間の使用も可能、というメリットもある。

 

http://www.fit.ac.jp/