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「どこでもソーラー」 リュックのように持ち運べる太陽光発電パネル「ナノグリッド」開発、三重大学と伊賀市のナベル社。9月に発売へ(各紙)

2016-05-18 13:24:13

ryukkkusoraキャプチャ

 

  三重大学と、蛇腹製造のナベル(三重県伊賀市)は、折り畳んで人がリュックのように背負って持ち運べる太陽光パネル「ナノグリッド」を共同開発した。軽量で手軽に運べることから、災害時には携帯電話の充電や小型家電品の電源に使える。

 

 今年の9月ころから販売を開始する。販売価格はセットで約20万円を予定。災害時の活用を想定し、自治体や企業向けに初年度500セットの販売を目指す。

 

 「ナノグリッド」は縦約50cm、横約42cmのソーラーパネル9枚で一組になっている。広げると長さ145cm、幅123cmに拡大する。全体の重さは約2.8kgと軽い。一時間に72Wの発電が可能で、リチウムイオン電池(重さ2kg)を組み合わても、重さは4.8kgなので中学生でも背負える。また小型の卓上扇風機ならば約8時間、携帯電話なら約20時間は継続使用ができる。

 

 パネル自体は、自由に曲げることができる「薄膜アモルファスシリコン」を樹脂でコーティングしている。また9枚のパネルを並列に蓄電池に接続するのでパネルの一部が陰にあたっても安定的に発電できる。

 

 開発のきっかけは、ナベルの永井規夫社長(59)が東日本大震災発生後に、被災した友人から「電池が欲しい。停電対策ができていない」と聞いた経験による。同社が得意とする伸び縮み自由な蛇腹構造の製造経験を生かして、「軽くて折り畳める商品を開発した」という。

 

 ソーラーパネルを背負って持ち運べるタイプは、アメリカ製の商品がすでに存在する。ただ、同製品はパネルの一部が隠れると発電できないなど、性能上の課題がある。ナノグリッドはその課題を解決し、また水や熱などへの耐久性も優れている。

 

 三重大大学院地域イノベーション学研究科の坂内正明特任教授(65)は「まずは役所や自治会などを顧客として取り込みたい。電力会社からの供給が止まっても発電できるところが強み」と説明している。

http://www.isenp.co.jp/news/20160518/news07.htm

http://www.bellows.co.jp/ja/?p=12