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再生可能エネルギー改正法が成立。太陽光発電の買い取り、入札制に移行。2017年4月から実施(各紙) 

2016-05-25 14:07:40

solarキャプチャ

 

 固定価格買い取り制度(FIT)の対象再生可能エネルギー発電の大半を占める太陽光発電に入札制を導入する「改正再生可能エネルギー特別措置法」が25日の参院本会議で可決、成立した。現行は電力会社は一律の買い取り価格で買い取るが、2017年4月からは安い価格の太陽光事業者から優先的に買い取ることになる。

 

  FITに入札制を導入するのは、再エネ発電の大半(約9割)を事業用の太陽光発電が占めており、再エネ電源間でのバランス調整が必要との判断による。またFITによる買い取り費用は利用者の電気料金に転化されるが、年間の買取費用額が1.8兆円(2015年度)と増えていることを調整する狙いもある。

 

 FITによる再エネ発電の電気は現在、事業者の発電コストにかかわらず一律。太陽光発電の場合、事業用ならば2016年度は1kW時当たり24円。これが、改正法が適用される2017年度からは買い取る側の電力会社が入札を行い、安い価格で応札した事業者の電力から優先的に電気を買い取れるようになる。

 

 改正法では、入札で談合すれば、3年以下の懲役か250万円以下の罰金を科す。設備の点検や保守を怠るなどした事業者に対し、改善を命令したり、認定を取り消したりできるようにする。 また設備認定を受けながら発電開始のめどが付かない事業者の認定取り消しも可能とした。

 

 入札制の採用は、買い取る電力事業者にとってはコスト削減となり、その分、使用者の電力料金も下がる期待が出てくる。一方、太陽光事業者にとっては、従来のように一定の売電価格が保証されないことから、新規事業に取り組む場合は、コスト削減、あるいは発電効率のいいパネルの採用等の選別が広がるとみられる。

 

 再エネ事業は開発に長期間を要するものもあることから、入札による買い取りの場合、あらかじめ複数年にわたる調達価格を決めることが出来る。また買い取り事業者については、従来は既存の大手電力会社などを想定した小売電気事業者等としていたが、4月から電力小売全面自由化が施行されたことと、広域運用を促すため、一般送配電事業者等に変更する。買い取った電力については、卸売り電力取引市場での売買を義務付ける。

 

 再生可能エネルギーの買い取り費用を家庭や企業が支払う電気料金に上乗せする「賦課金」は現在、標準的な家庭で月額675円。FITを導入した2012年度は66円だったから、約10倍に膨らんだことになる。

 

http://www.meti.go.jp/press/2015/02/20160209002/20160209002.html