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世界遺産のオーストラリア「グレートバリアリーフ」、海水温上昇で北部と中部でサンゴの35%が死滅。地元大学の調査で判明(各紙)

2016-05-30 13:40:05

GreatBarrieareefキャプチャ

 

 内外の報道によると、 オーストラリアの北東部の海岸に約2000kmにわたって広がる世界最大のサンゴ礁で世界遺産の「グレートバリアリーフ」の北部と中部で、サンゴ礁の3分の1が、温暖化の影響による海水温の上昇で大規模な白化現象を起こし、死滅していることがわかった。

 クイーンズランド州のジェームスクック大サンゴ礁研究センターの科学者らが公表した。同センターは3月に北東部ケアンズから北側をヘリコプターで観察したところ、500カ所以上あるサンゴ礁のほとんどが白化していたという。

 

 同センターのヒューズ教授は北側部分について「白化していないサンゴ礁は4カ所しかなかった。過去に(大規模な)白化が起きた1998年、2002年のレベルを上回っている」と述べている。

 

 教授らは先月、白化の被害を免れているサンゴ礁はグレートバリアリーフ全体のわずか7%だとし、特に北部の状況について強い懸念を示していた。今回の空中からの観測で、白化の影響は当初の予想よりも深刻であることが分かったという。

 

 サンゴは海水温の上昇などでストレスを受けると、体内の褐虫藻が追い出されて栄養分や酸素の供給を受けられなくなり白化する。白化の状態が続くと、死んでしまう。白化現象の原因となっている海水温の上昇は、直接的には、エルニーニョ現象によるが、ヒューズ教授らは、その根本的な原因は地球温暖化による気候変動によって引き起こされていると指摘している。

http://jp.reuters.com/article/great-barrier-reef-idJPKCN0YL095