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ノルウェー主要政党 2025年に「ガソリン車販売停止」で大筋合意。先進国で初。一部のガソリン、ディーゼル車の販売は認める見込み(RIEF)

2016-06-09 21:52:58

Norwayキャプチャ

 

 ノルウェーの主要政党は、2025年を目標に国内のガソリン自動車の販売ゼロを目指すことで政治合意した。一部で「ガソリン車全廃」と報道されたが、特定のガソリン車やディーゼル車は販売できる模様。しかし、事実上の“ガソリン車追放”であり、先進国初となる。

 

 事実上の「ガソリン車との決別」は、ノルウェーの労働党など主要4政党が合意した。今月初めに国内紙のDagens Naeringslivが、「4政党が2025年初めから、ガソリン、ディーゼル車の販売全禁」の報道を特ダネで流した。

 

 このニュースは世界中を駆け巡り、電気自動車を世界的に販売しているテスラのCEO、Elon Musk氏はもろ手をあげて歓迎を表明した。ただ、反響の大きさに驚いたのか、 ノルウェーの気候変動環境大臣Vidar Helgesen氏がネットメディアのツィッターでの取材に対して「政治合意はできた。しかし完全撤廃ではない。強い行動が求められるということ。報道は単純すぎる」と微修正した。

 

 Helgesen氏によると、一部のガソリン車もディーゼル車も販売は認められるという。ただ、目標としては2025年までに電気自動車等のCO2排出量を出さないエコカー販売の全国普及を推進していくという。

 

 ノルウェーは欧州最大の石油・ガス生産国で、中東などを含めても、第15位の生産量を誇る。2014年の生産量は日量1900バレルで、ガスも産出する。自国生産原油の大半を輸出し、国内の電力等のエネルギー供給は再生可能な水力発電で賄うというユニークなエネルギー構造になっている。

 

 また2015年時点で、人口500万人の自動車市場で7万台の電気自動車が登録されている。同年の新車販売の18%は電気自動車になるなど、エコカー化は着実に進展している。このままのテンポでも2025年にはエコカーが販売の過半を占めるとみられている。

 

 したがって、今回の「ガソリン車全廃」報道は、シンボリックな意味合いが強い。政策的に一段のエコカーの普及促進策がとられれば、「実質全廃」も不可能ではない、と専門家はみる。

 

 ただ、石油・ガスの輸出で国富を蓄積してきただけに、他の輸入国がノルウェー産の石油・ガスに依拠したガソリン車を走らせている環境下で、輸出元の国が「ガソリン車否定」の看板を大きく掲げることの評価で、政治的判断が微妙に分かれているとみられる。

http://mashable.com/2016/06/06/norway-car-ban-elon-musk/#trv7Y602qZqf