アラブ首長国連邦のドバイ 世界最大の集光型太陽光発電所建設へ。2030年には5GW(RIEF)
2016-06-08 14:22:38
アラブ首長国連邦(ADB)のドバイが、世界最大規模の集光型太陽光(CSP)の建設計画を発表した。発電規模は2020年までに1000MW(2GW)とし、2030年にはさらに拡大して5GWにするという。
ドバイ水電力機構(DEWA)が公表した。発電所は「Mohammed Bin Rashid Al Maktoum Solar Park」で、5つの設備から構成される。第一期の工事は2020年あるいは2021年の完成で、CSPによって発電容量1GWを確保するという。最終的に5GWの発電ができる。そうなると、ADB全体の電力の4分の1をまかなえるという。
現在、世界最大のCSP太陽光発電所は、米カリフォルニア州にあるIvanpah 発電所で、発電能力は392MW。アフリカのモロッコで開発が進んでいるワルザザードのCSPは2018年には580MWの発電能力を持つ。モロッコの計画は2020年に2GWに拡大するとしている。
CSPは、太陽光パネルを使って発電する日本などの方式とは異なり、無数に配列された鏡で太陽光を一点に集め、熱に変換してタービン発電機を回す蒸気を生み出して発電する仕組み。その特徴は、太陽光エネルギーをいったん熱に転換するため、エネルギーの蓄積が容易に行え、日没後も発電が可能になる点だ。
発電コストは、kWh当たり、現状は15セントのコストがかかっているが、今回の新型CSPは半額以下の8セントで発電可能という。また温暖化対策にも絶大な効果を上げる。CSP発電所が完成すると、毎年のCO2の排出量は650万㌧削減される。通常の石炭火力2機分を閉鎖できる効果がある。
今回の計画は、ドバイが打ち出している2050年に向けたクリーンエネルギー戦略の柱の一つ。同戦略では2020年までにADBの全エネルギーの7%をクリーンエネルギーでまかない、その比率は2030年には25%に、2050年には75%に段階的に引きあげていく方針だ。