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Apple 自社の太陽光発電等の再エネ電力の余剰分を売電へ。電力事業者の資格をFERCに申請(RIEF)

2016-06-17 15:50:28

Appleキャプチャ

 

 Appleがエネルギービジネスに参入する。子会社のApple Energyを設立、自社の太陽光発電などで得た余剰電力を国内電力市場へ販売する計画している。すでに、米連邦エネルギー規制委員会(FERC)に対して売電事業の申請を行なった。

 

 これまでもApple は再生可能エネルギー投資に積極的で、国内の各工場等は、カリフォルニアやネバタ州に設置している自社の太陽光発電設備からの電力や外部の再エネ発電事業者からの売電などで、100%再エネ比率を達成している。グローバルベースでも93%の再エネ比率となっている。

 

 ただ、太陽光も風力発電も、天候によって発電量は左右される。天気の悪い時には市場から買電して補充できるが、好天気が続くと余剰電力を抱え、これまではある意味でムダにしていた。そこで、余剰電力が発生した際は、電力市場に卸販売する資格を得ることで、エネルギーの効率化を図るとともに、再エネ発電の普及を後押しすることにした。売電価格は余剰電力のため割引価格での販売になる見通し。

 

 CEOのTim Cook氏は「環境に対して革新的なアプローチをとることは、われわれのApple 製品を革新的に発展させ続けることと全く同じアプローチだ」と、エネルギーシステムを化石燃料主導から再エネ型に転換することを重視した対応であると、強調している。

 

 FERCの承認を得られれば、今年の夏にも電力の販売を開始する予定。また、大規模なデータセンターを抱えるノース・カロライナ州では、埋め立て廃棄物のメタンガスからエネルギーを回収するプラントの建設承認を州当局から得た。新設されたApple Energyはこうした余剰電力などの販売を手掛けるだけでなく、開発中の電気自動車プロジェクトにもかかわっていくとみられる。電気自動車への電力供給技術の開発も担当する見通しだ。

 

 再エネ電力の使用拡大と普及だけではなく、Appleは回収した携帯電話やスマホ等からの希少金属の回収にも力を入れている。最新の環境責任レポートによると、2015年だけで使用済みの各種デバイスから回収した金は2204ポンドに達したという。これを売却した場合、金の市場価格の1オンス=1,237.50㌦で計算すると、約4360万㌦(45億7800万円)の収益を得たことになる。リサイクルもApple流で、Liamと呼ぶリサイクルロボットを開発、効率的な回収を進めているという。

 

Apple2

 

 

http://electrek.co/2016/06/10/apple-energy-deeper-dive-is-this-apple-running-its-own-microgrids-or-more/