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南極のCO2濃度も初の400ppm台に乗せる。これで地球上のすべての地域で400ppm超に。「後戻りできない」世界に突入へ(RIEF)

2016-06-17 00:50:58

southpoleキャプチャ

 

 米海洋大気局(NOAA)は16日、南極で測定した大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が、南極としては初めて400ppmを超えた、と発表した。地上の観測点のうち、これまで400ppmの大台に乗せていなかったのは南極だけだった。

 

 NOAAのGlobal Greenhouse Gas Reference Networkの科学者、Pieter Tans氏は「南極は地球上でCO2が400ppm台に到達していない最後の砦だった。世界のCO2レベルは、われわれが生きている間、さらにはもっと長期間にわたって、二度と400ppmを下回るレベルに戻ることはないだろう」と述懐している。

 

 通常、地球上のCO2濃度は秋から冬にかけて上昇し、北半球が夏の間は減少する傾向にある。これは夏の間の北半球の陸上植物の光合成が活発になり、CO2を吸収するためだ。しかし植物が吸収するCO2の量は排出量全体の一部にしか過ぎないので、 1958年の観測開始以来、毎年、大気中のCO2濃度は増加している。

 

sothpole2キャプチャ

  昨年の世界のCO2平均濃度は399ppmに達した。したがって今年の平均濃度は400ppmを突破するのは間違いないとみられている。専門家の間での唯一の注目点は、今年の月ごとのCO2濃度のもっとも低い月においても、400ppmを上回るかどうかという点だという。

 年間の増加率は明らかに加速している。NOAAのハワイにあるMauna Loa観測所の観測データによると、昨年2015年一年で、CO2濃度は3.05ppm増加した。これは過去56年間で最も増加幅が大きかった。もっとも、昨年の増加要因の一つにはEl Ninoの影響も加わっている。

 昨年はCO2濃度が4年連続で、年間2ppm以上増加した年でもあった。NOAAは今年も恐らく2ppm以上となり、5年連続の記録更新は間違いないとみている。

http://www.noaa.gov/south-pole-last-place-on-earth-to-pass-global-warming-milestone