米ハーレー・ダビッドソン 電動オートバイを5年以内に発売へ。試作車の路上テスト実施中(RIEF)
2016-06-20 13:00:13
「バイクといえば騒音」というイメージが一変しそうだ。米名門オートバイメーカーのハーレーダビッドソン(Harley-Davidson)が今後5年以内に、電気式オートバイを販売する方針を明らかにしたた。
同社のシニア副社長のSean Cummings 氏がMilwaukee Business Journalに明らかにした。同社が電動バイクについてLiveWireプロジェクトとして開発していることは知られていた。電動バイクは中国などでも開発されているが、名門のHarley-Davidsonが本格モデルを販売すると、市場への影響は大きいとみられる。すでに全米の各地で試作車の路上走行テストを繰り返しているという。
考えてみれば、乗用車のエコカー競争は激烈で、ハイブリッド車はすでに時代遅れとなり、電気自動車、燃料電池自動車等、ゼロエミッションを競う新車が各社から発売されている。オートバイの場合、CO2排出量は乗用車より少ないものの、ガソリンを燃料としている限り、CO2排出源であることは間違いない。さらに電動になるとバイク特有の騒音が全くなくなるという利点もある。
電動バイクの最大の課題は蓄電機能だ。乗用車に比べて蓄電池を設置するスペースが限られていることから、現行の中国製電動バイク等は、一度の充電での航続距離が限られ、利用者の不満の原因となっている。現在は実験車での航続距離は50マイル(80km)前後で、実用化の際にはこの倍は必要とされている。
一方で、バイクの魅力はそのスマートなスタイルに負うところが大きい。したがって大きなバッテリーを積んで「いびつ感」が感じられると、魅力半減となってしまう。また、騒音も全くなしにするほうがいいのか、一定の「バイク感」を維持する音を出したほうがいいのかも、ユーザー感覚に影響するため、工夫のしどころだ。
とはいえ、名門Harleyが新しい技術に挑戦し、実用化のめどが見えてきたことは、日本のバイク各社にとっても見逃せない。今後のエコバイク競争に期待したい。