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環境ビジネスのサニックス、太陽光発電低迷で希望退職391人。最盛期から雇用はほぼ半減。アベノミクスの「第三の矢」の期待、FIT制度の「改悪」で的外れに(各紙)

2016-06-20 18:28:51

sanixキャプチャ

 

  太陽光発電などを手掛けるサニックス(福岡)は20日、太陽光発電事業の収益悪化を理由として募集していた希望退職への応募者数が391人となったと発表した。今回を含め、一連のリストラで同社グループの社員数はほぼ半減する。

 

 太陽光発電事業は「アベノミクスの第三の矢」の一つとして成長が期待され、同社も力を入れてきた。しかし、経済産業省が、再三にわたり固定価格買い取り制度(FIT)の価格を引き下げてきたことから、採算が悪化、同社も事業規模を縮小に追い込まれた形だ。

 

 経産省はFITによる発電の売電価格を毎年引き下げてきた理由として、FITでは再エネ発電事業者からの買い取り価格分を消費者の使用電力価格に上乗せする仕組みで、消費者負担の増大を抑えるため、と説明している。その一方で、再エネの普及が進むと、原発の再稼動の意義が薄らぐことを懸念し、再エネ発電の魅力を高めすぎないように政策調整をしているとの指摘もある。

 

 サニックスの希望退職の募集は2015年度以降で3度目。2014年度末には連結社員が3625人在籍していたことと比べると、1800~1900人程度になり、ほぼ半減する。同社は5月16日から同月末まで500人の希望退職を募った。応募数は目標を下回ったが、自己都合退職による従業員減も含めると、ほぼ目標水準の人員削減が達成できるとしている。

 

 同社は退職者への特別退職金支払いなどで16年4~6月期に約1億9000万円の特別損失を計上する予定。一方、人件費は17年3期に約13億円減少する見通し。特別損失やコスト削減額は通期予想に織り込み済み。

 

 同社は、太陽光発電のシステム販売を、伝統的なシロアリ駆除に続く柱の事業として展開してきた。しかし、FIT制度の毎年の価格引下げ等によって、市場環境が急速に悪化し、思い切った人員整理に踏み切った。

 

http://sanix.jp/ir/release/news/pdf/20160620.pdf