ソフトバンク 社長候補から退任のアローラ氏。退任理由を語る。トップ交代の背景は?(各紙)
2016-06-22 18:08:34
ソフトバンクグループの孫正義社長の後継者候補とみなされていたニケシュ・アローラ副社長が退任を決断した問題で、Bloombergはアローラ氏との会見を掲載した。
それによると、退任のきっかけは、創業者の 孫正義社長と行った先月の会談の際、来年60歳の誕生日までに退任を表明していた孫氏が、禅譲する準備はできていない旨の意向を伝えたためだったと明かした。
Bloombergの報道によると、両氏はカリフォルニア州に滞在し、6月22日に開催する年次株主総会の準備を進めていた。そこでのプレゼンテーションのスライドの一つには、後継者への社長職の移譲に向けた孫社長の長期計画が示されていたという。
結局、このスライドは株主や従業員に明らかにされることはなかったが、作業の中で、アローラ氏と孫氏は、孫氏が来年8月に60歳を迎える時に社長職を譲ると公言していたことに関して意見を交わしていた。アローラ氏(48)は用意されたスライドを目にし、今後に関して明確化を求めた。
アローラ氏の説明によると、「孫氏は60歳になったら禅譲することを私に示唆してきた。このため私は孫氏に『準備はできているのですか(Are you ready?)』と尋ねた」という。しかし、孫氏の準備はできていなかった。このためアローラ氏は、孫氏に「何年続けるのか、1年か、2年か」と聞いたところ、孫氏は「5-10年は続けたい」と答えたという。
アローラ氏は「孫氏は1日18時間働き、元気そのものだ。同氏は続けたいと言った」とBloombergの取材に対して説明した。孫氏の答えを聞いて失望したものの、孫氏との親しい関係は今後も続くだろうと付け加えた。そのうえで、アローラ氏は自らの退任を決意したという。
アローラ氏の突然の退任で、株主総会の準備作業は大幅に修正され、同氏が役員を退任する資料等が用意されたのは総会開催1時間前だったという。
孫氏は、株主総会で、「あと1年になっちゃった。ちょっと待てよ、俺は十分枯れたかなと考えると、もうちょっと社長を続けていたいという欲が出てきた。ニケシュに申し訳ないと話をして、今回の発表にいたった」と説明した。最低でもあと5~10年は社長を続ける意向を示した。