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米大統領選挙 共和党候補指名確実のトランプ氏 本選の資金集め担当に石炭業界の“大物”が就任へ。環境・エネルギー政策もオバマ政権から180度転換へ(RIEF)

2016-06-23 11:54:41

Trumpキャプチャ

 

 米大統領選挙の共和党候補指名が確実となっているドナルド・トランプ氏の本選挙でのネックとされる選挙資金問題で、石炭業界の中心人物が資金調達の責任者に就任する見通しとなった。

 

 その人物は、Robert Murray氏。米石炭業界で個人会社としては最大のMurray Energy Corpの 創業者であり、CEOである 。来週にも決まるという。

 

 トランプ氏は、個人からの寄付が低調で選挙資金が不足していると指摘されている。トランプ氏が5月に、個人から集めた寄付は310万㌦で、残高は130万㌦。これに対して、民主党候補確定のヒラリー・クリントン前国務長官は5月だけで2600万㌦集め、残高も4200万㌦㌦と、圧倒的に優位に立っている。

 

Murray氏
Murray氏

 

 トランプ氏は、党指名を争う党員集会・予備選の段階では、個人からの寄付は不要と公言してきた。しかし、本選で勝つには膨大な資金調達が必要と言われている。一説には、同氏の大統領就任に拒否感を示す共和党議員を説得するためには、10億㌦以上が必要との指摘もある。

 

 トランプ氏は「必要なら自分の資金を投じる。キャッシュは無限にある」と述べている。だが、資金面の不安を一掃するため、Murray氏を起用することになる見通し。

 

 Murray氏はこれまでも、予備選に立候補したTed Cruz氏の資金調達を担当したほか、2012年の大統領選挙ではMitt Romney氏の立候補を支持した経験がある。石炭業界きっての政治力の持ち主として知られる。5月にはトランプ氏と会談した後、「彼は正しい道を目指している」と理解を示していた。

 

 Murray氏が経営するMurray Energy Corpはアパラチア山脈を中心に現在、13か所で石炭を採掘し、年間6500万㌧を生産している。生産した石炭の大半は、電力会社の火力発電用として売却されている。保有する石炭埋蔵量は30億㌧に達する。

 

 現在のオバマ政権が石炭火力発電を事実上、停止させる規制(Clean Power Plan)を推進し、さらに温室効果ガスの削減を強化するパリ協定の批准を進めている。Murray氏の起用が決まれば、オバマ政権とは対照的に、資金的にも石炭業界の支援を直接受ける形となり、温暖化対策が大統領選の争点の一つとなりそうだ。

 

  Murray氏は、オバマ政権のエネルギー政策に対して強い不満を示しており、オバマ大統領を「米国を破壊する最大級のデストロイヤー(破壊者)」と非難してきた。トランプ氏は、オバマ政権の政策と、温暖化対策での化石燃料敬遠の風潮との影響で、苦境に立っている石炭産業の復活を公約に掲げている。

 

http://thehill.com/policy/energy-environment/284261-coal-executive-to-hold-fundraiser-for-trump?utm_source=Inside+Climate+News&utm_campaign=ebf899e381-Today_s_Climate12_10_2014&utm_medium=email&utm_term=0_29c928ffb5-ebf899e381-327781481