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北極の氷面積、6月も過去最小の記録を更新。今年上半期の6か月中5か月が観測史上最少の記録。地球温暖化現象の加速を映す(RIEF)

2016-07-11 00:01:39

Arcticキャプチャ

 

 北極を覆う氷の面積が6月も過去最小を記録したことがわかった。米国のNational Snow and Ice Date Center(NSIDC)が明らかにした。今年は3月以外、毎月、観測史上最小記録を更新続けており、この夏の猛暑でさらに溶融が進むとみられている。

 

 3月の氷の面積も2015年に次ぐ2番目の少ない記録だった。したがって今年の上半期全体を通して、例年にない気温の上昇が、北極の氷の溶融を加速しているといえる。地球温暖化現象は確実に加速し、広がっている。

 

 北極の6月の氷部分は月間平均1060万k㎡となり、過去最小だった2010年の平均より26万k㎡小さかった。1981年~2010年の長期平均に比べると、136万k㎡分小さい。これは、日本列島の3.6倍分の氷の面積が消えたことを意味する。

 

 また一日当たりに換算すると、5万6900k㎡が消えたことになる。6月を振り返ると前半の消失面積は平均より少なく、後半に増加するというパターンだった。これは、月初めは北極海全体を低気圧が覆い、雲の発生で日射が遮られたためとみられる。

 

 低気圧の影響があると、気温も低下するはずだが、気温が平均より下がったのはカナダと米国アラスカ州に面するボーフォート海周辺だけだった。このため、5月までと同様に、引き続き氷の溶融が進んだといえる。

 

 また6月後半移行の日量の溶融面積は平均を70%上回る7万4000k㎡とピッチが上がっているという。この勢いが続くと、7月の溶融も記録を更新しそうだ。

 

 NSIDCによると、過去30年で米国のテキサス州のほぼ2倍の面積が失われ、その消失のペースが高まっている、としている。

 

 現在のボーフォート海の氷は、極めて薄く、海面に散らばるように点在しているという。またアラスカ州の沿岸部の氷の層も、厚さが50cm以下と非常に薄くなり、シロクマなど体重の重い動物にとって、生活圏が狭まる結果となっている。

 

 北極海の氷が減って海洋面積が増えることで、海が日射を吸収しやすくなる。その結果、海水温度が上昇、氷の溶融がさらに進むという循環が起き易くなっているという。

 

https://nsidc.org/