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南極・昭和基地で、CO2濃度が初の400ppm超え。地球温暖化の全球的加速を示す。国立極地研究所の観測結果(RIEF)

2016-07-13 10:42:43

southpoleキャプチャ

 

 国立極地研究所は12日、南極の昭和基地で測定した大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が、400ppmを初めて突破したと発表した。人口の集中する北半球ではすでに突破しているが、南極での400ppm確認は、温暖化が全球的に加速していることを示す。

 

 400ppm超えは、5月14日に400.06ppmを記録した。昭和基地では1984年の観測開始以来、400ppmを突破したのは初めて。その後も6月は1カ月間の平均が400.51ppmと恒常化している。

 

南極・昭和基地。矢印で示した青い建物(観測棟)でCO2の測定を実施している。
南極・昭和基地。矢印で示した青い建物(観測棟)でCO2の測定を実施している。

 

 日本を含む北半球の各地ではすでに400ppm超の濃度になっている。南半球は排出源となる工場や発電所などが少ないが、北半球で排出されたCO2が全球を覆っていることが確認された。

 

 北極・スバールバル諸島のニーオルスンでは4年前に400ppmに達している。大気中CO2濃度は、産業革命以前は280ppm程度で一定だったが、その後の化石燃料消費等の人間活動によってCO2などの温室室効果ガス(GHG)が大気に放出され続けている。

 

昭和基地の観測棟でCO2濃度の測定を行う第57次南極地域観測隊越冬隊 荒川逸人隊員
昭和基地の観測棟でCO2濃度の測定を行う第57次南極地域観測隊越冬隊 荒川逸人隊員

 

 大気中のCO2濃度が400ppmを超えたことが確認されたのは、2013年5月にハワイのマウナロア山での観測が初めて。これまで南極では400ppm超えは確認されていなかった。極地研の観測の後、米海洋大気局(NOAA)も南極で5月23日に400ppm超を確認したと発表している。

 

昭和基地での2015年のCO2濃度の年平均値は397.99ppm。最近10年間のCO2濃度増加率が約2ppm/年であるため、1〜2年の内には南極全体の平均値としても400ppm超えとなりそう。

http://www.nipr.ac.jp/info/notice/20160712.html