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今年上半期の世界の平均気温、観測史上最高だった昨年をさらに上回るレベルに。年間でも最高の見通し。地球温暖化の勢いは加速へ(RIEF)

2016-07-20 12:47:34

 

 今年上半期の世界の平均気温は、観測史上、過去最高の水準になった。米航空宇宙局(NASA)が19日、公表した。世界の平均気温は昨年が過去最高だったが、今年はすでにそれを上回るペースとなっており、温暖化の加速が確実に進んでいる。

 

 NASAによると、今年1~6月の世界の平均気温は、観測記録が残る1880年以降で最高。昨年は年間を通じて観測史上最も暑い年だったが、今年の上半期はそれを上回るペースとなっている。

 

 地球の気温上昇は、昨年10月以降、太平洋で発生した強大なエルニーニョの影響が大きい。エルニーニョは南米のペルー沖でクリスマス頃から南東の貿易風が弱まると、赤道付近から暖水塊が流れ込んで、海水温が上昇する現象。昨冬以降の現象の長期化には、温暖化による海水温上昇の影響も加わっている可能性がある。

 

 NASAによると、今年上半期の平均気温は産業革命が進行した19世紀末の平均気温を1.3度上回るという記録的な水準となった。また、特に北極域での海水温上昇は顕著で、北極を覆う海氷は上半期6カ月のうち5か月でいずれも過去最も小さくなっている。

 

 昨年12月に地球温暖化対策で国際合意した「パリ協定」では、産業革命以降の気温上昇を2℃未満に抑える目標とともに、1.5℃以内に抑える努力もうたっている。だが、協定の批准は各国の都合で十分に進んでいない。

 

 米国の共和党大統領候補に指名されたドナルド・トランプ氏は、パリ協定から離脱を明言しているほか、欧州連合(EU)も英国のEU離脱決定で、年内批准の行方が不透明な状態となっている。そうした人類の思惑錯綜にもかかわらず、温暖化は確実に進行していることは間違いない。

 

 また米海洋大気局(NOAA)によると、6月の世界の平均気温は過去137年で最も高く、昨年4月から14カ月連続で過去最高を更新中。

 

https://www.nasa.gov/feature/goddard/2016/climate-trends-continue-to-break-records