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大王製紙、主力工場に廃液利用のリサイクル型バイオマス発電所。年間売電収入70億円見込む(RIEF)

2016-07-25 10:01:35

daiouseishiキャプチャ

 

  大王製紙(本社)は、主力の三島工場(愛媛県四国中央市)に売電用の新型バイオマス発電所を建設すると発表した。木材から紙の原料となるパルプを作る際に発生する廃液(黒液)を燃料にして発電する。投資額は約210億円。

 

    三島工場ではこれまでも、2004年にクラフトパルプ製造工程で発生する黒液を燃料に使ってバイオマス発電を設立、発電した電力は工場内の動力用に活用してきた。

 

 今回は、最新鋭の黒液回収発電設備を新設する。発電能力は6万1000kWあり、発電した電力は固定価格買い取り制度(FIT)を利用して全量、地元の四国電力に売却する予定。投資額210億円に対して、年間の売電収入は約70億円を見込んでいる。投資資金を3年で回収できる計算だ。

 

 新型のバイオマス発電設備は従来型に比べてエネルギー効率が5%改善するという。バイオマス発電は燃料確保が課題だが、同社の場合、自社の工場から出る廃液を活用するリサイクル型なので、燃料の調達課題はない。またCO2は年間2万5000㌧削減できる。設備の稼働は2019年度の予定。

 

 投資資金は昨年9月に発行したユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(2020年満期)を充当、不足分は金融機関からの借り入れで賄う予定。

 

 大王製紙は、新聞用紙から、印刷・出版用紙、情報用紙、包装用紙、段ボール原紙、家庭紙などまで2万種以上の紙をパルプから一貫生産する国内第3位の総合製紙メーカー。三島工場は紙・板紙を年230万トン生産する国内最大の製紙工場。

 

 環境対策にも力を入れており、古紙利用率65%で、年間約200万tの古紙を利用、資源回収を重視している。また南米チリには自社の植林地59,000haを抱え、そのうち25,000haは天然林として人手を加えない自然の状態で残し、生物多様性の維持に取り組んでいる。

http://www.daio-paper.co.jp/news/2016/pdf/n280722a.pdf