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東芝など13社、バイオマス発電用のCO2回収・貯留設備の実証実験へ。2020年度に開始。福岡県・大牟田で(RIEF)

2016-07-27 17:39:42

CCSキャプチャ

 

 東芝やみずほ情報総研などは、バイオマス発電に対応する国内最大規模の二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)設備の実証実験を行うと発表した。バイオマス発電対象のCCSとしては世界初の大規模事業となる。

 

 事業には両社のほか、千代田化工建設、日揮、三菱マテリアルなど合計13社・機関が参加する。環境省が公募した「環境配慮型CCS実証事業」として採択された。2016年度から2020年度にかけて約180億円を投じて、設備の技術や性能、費用、環境影響などを評価し実用化を目指す。

 

 実証実験は福岡県大牟田市にある東芝のグループ会社、シグマパワー有明の三川発電所(出力4万9000kW)にCCS設備を建設し、同発電所が1日当たり排出するCO2を50%相当分の500㌧以上を分離・回収する。

 

 みずほ情報総研など他社は、CO2分離・回収に関わる環境影響評価手法の開発や、国内でのCCSの円滑な導入に向けた制度研究などの評価を担当する。実証運転は2020年度に開始する予定。現在、三同発電所は石炭を燃料としているが、2020年度の設備完成時までにはバイオマス発電に対応できる設備への更新工事を行なっており、同CCSはバイオマス発電対応となる。

 

CCS2キャプチャ

 

 バイオマス発電は固定価格買い取り制度(FIT)の対象となっており、クリーンエネルギー発電に分類される。だが、燃焼の安定を確保するため石炭を一割ほど投入するケースが多い。したがって、厳密にいうと、現在のバイオマス発電は「CO2フリー」ではない。

 

 CCSは、新設のみならず既存の火力発電所へも導入可能。このため、今回のCCSの実証性が確認されると、既存の大規模バイオマス発電も、「完全クリーンエネルギー」に変身することができる。

 

http://www.toshiba.co.jp/about/press/2016_07/pr_j2602.htm