コニカミノルタ、環境コンサル事業に参入 自社開発の環境ノウハウをデジタル化して販売。初年度100件の制約目指す(RIEF)
2016-08-29 12:44:35
コニカミノルタが環境コンサル事業に参入する。工場の省エネや環境計画策定などについて、同社がこれまで開発してきた環境経営ノウハウを、デジタル化して顧客企業に提供する。今月末から販売を始め、初年度は100件の成約を目指すという。
新たな環境コンサル事業については、環境経営支援コンテンツ「biz-Library(環境経営)」と名づけ、自社の環境管理ノウハウを、web動画と実用ツールに加工して、販売する。
コニカミノルタは、これまで「環境経営」を成⻑戦略の⼀つに位置づけ、自社製品のライフサイクルにおけるCO2排出量を、2050年までに2005年度⽐で80%削減する、という具体的な⽬標を盛り込んだ⻑期環境ビジョン「エコビジョン2050」を掲げている。
同ビジョンの実現に向けて、経営計画と連動する「中期環境計画2016」を定め、製品開発から調達、⽣産、物流、販売・サービス、回収・リサイクルに⾄るバリューチェーンの各側面で実践的な環境活動に取り組んでいる。こうした経験の中で開発されたノウハウ等を「biz-Library」に加工して外部公開することになる。
「biz-Library」のコンテンツの柱となるのは、企業にとっても温暖化対策が「待ったなし」になる中で、工場や事業所・オフィスなどでの効果的な省エネ対策や二酸化炭素(CO2)排出削減対策。実際にコニカミノルタが使っているマニュアル等を「レクチャー動画」に加工して、テーマごとにわかりやすく伝える。また企業の需要に応じて個別の講演やワークショップ等を追加して提供する。
「レクチャー動画」の最初のコンテンツは「慣用戦略策定の方法」「環境ISO『2015年改定』の対応」「工場の省エネとコストダウン」「企業における化学物質管理」の4項目。今後、コンテンツは企業のニーズに応じて、随時、拡大していく。動画コンテンツは10万円から提供、マニュアルなどの文書ツールの提供で10万~20万円などの価格を定めている。
日本の環境産業のうち、環境経営支援などのコンサルティング事業は年間4800 億円の市場規模(2014年度)を持ち、安定的に推移している。これまでは汚染物質管理などへのアドバイス等が中心だったが、温暖化の進展で、CO2排出管理や光熱費の削減、低炭素リスクマネジメントなどの需要が拡大していくものとみられている。
コニカミノルタは日経が調査する「環境経営度調査」2016年版で、製造業の分野で、日産自動車やキャノン、YKK等を抑えて、一位に選ばれている。