HOME9.中国&アジア |中国の再生可能エネルギー発電 2015年は発電総量の4分の1を占める。水力が主流。送電網の容量不足で「無駄な発電」も増加(RIEF) |

中国の再生可能エネルギー発電 2015年は発電総量の4分の1を占める。水力が主流。送電網の容量不足で「無駄な発電」も増加(RIEF)

2016-08-28 22:11:58

windchinaキャプチャ

 

 中国の発電総量に占める再生可能エネルギー発電(水力を含む)の割合が、昨年は24.5%に達したことがわかった。ただ、送電網との接続の不備などで、発電しても送電できない再エネ発電量が前年より69%増えるなど、課題も浮上している。

 

 ブルームバーグ等の報道によると、国家エネルギー局(NEA)が最近、公表したデータでは、総発電量のほぼ4分の1を再エネ発電が占めたことになる。24.5%の内訳は、約19.6%が水力発電で、3.3%が風力発電、0.7%が太陽光発電などとなっている。

 

 昨年末までに導入された風力発電の能力は129GW、太陽光発電は43GWに達したという。日本では太陽光が30GW、風力3GWなので、太陽光発電で中国が4割増、風力では43倍と圧倒的に上回っている。

 

 またバイオマス発電の設備量は、太陽光設備の4分の1だが、発電量は太陽光発電を0.2%ポイント上回ったという。これは、バイオマス発電は安定的に発電できるのに対して、太陽光や風力などの場合、日照や風力が強くて発電量が増えても、送電網の容量や蓄電設備の不備等で、すべてを送電できず、一部が無駄に消失していることを物語る。

 

   NEAによると、昨年だけで風力発電の発電量のうち339億kWhが使用されなかったという。発電しながら利用されずに消失した電力の総量は前年比で69%も増加した。再エネ発電事業の増加と、送配電や蓄電設備の整備がマッチングしていないためだ。

 

 送電網の容量不足は地域によって差がある。甘粛省の北西部での風力発電事業では発電量の約39%が無駄に消失した。新疆ウィグル自治区や、吉林省でも、それぞれ32%分が利用されていないという。

 

 NEAは送電網の大容量化や変電能力の増大投資に力を入れている。たとえば、新疆ウィグル自治区の太陽光発電事業で発電した直流電力を、東部の安徽省まで3200km以上をつなぐ世界最大の送電幹線事業を推進するなど、送電網の強化に力を入れている。逆にいうと、送電網整備や蓄電設備の投資機会が広がっているといえる。http://rief-jp.org/ct4/63120

 

http://www.bloomberg.com/news/articles/2016-08-24/china-s-clean-energy-exceeds-20-of-power-generation-in-2015?utm_source=Inside+Climate+News&utm_campaign=414be16c75-Clean_Economy_Wire12_10_2014&utm_medium=email&utm_term=0_29c928ffb5-414be16c75-327781481