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太陽光発電パネルの出荷量 今年度第一四半期も前年同期比26%減少。6四半期連続でマイナス。経産省の「FITつぶし政策」で日本の再エネ市場壊滅状態へ(RIEF)

2016-09-01 22:11:26

solar1キャプチャ

 

 太陽光発電協会(東京・港)が1日、発表した太陽光パネルの今年度第一四半期(4~6月)の国内出荷量は出力ベースで118万kWで、前年同期比26%減少と低迷した。四半期ベースで前年同期を下回るのは2015年1~3月期以降、6四半期連続。

 

    太陽光パネルの出荷量が低迷しているのは、経済産業省が所管する固定価格買い取り制度(FIT)の太陽光発電の買い取り価格を毎年引き下げてきたため、同発電の採算が急速に悪化、パネル需要が激減しているためだ。

 

 

 用途別では、住宅用途(26.7万kW)、500kW以下の出力の一般事業用途(30.3万kW)、500kW以上の出力の発電事業用途(61.5万kW)で、前年同期比ではそれぞれ65%、54%、97%。特に一般事業用途の低迷が目立っている。

 

 

 これは、16年度のFIT価格が1kWh当たり24円と、14年度の同40円から4割も減価したことが大きい。500kW以上の大規模ソーラー発電の場合は、規模の大きさで価格の低下をカバーできるが、一般的なメガソーラ―は採算悪化が顕著になっているわけだ。

 

 

 国内需要の低迷の一方で、海外では太陽光発電が欧米市場とも引き続き拡大を続けており、海外出荷量は前年同期比45%増の18万1000kWとなった。このうち国内生産分の海外出荷伸び率も52%増となっている。

 

 

  ただ、海外出荷の増加は国内需要の低迷をカバーするにはほど遠い。経済産業省は再生可能エネルギー政策を太陽光からバイオマス、風力など、より設備投資資金の多い分野にシフトしているうえ、来年度は再エネ事業全体の予算要求額を16.6%減額するなど、市場の縮小を目指しているように映る。

http://rief-jp.org/ct4/63977

 

 パリ協定の年内批准の方向が固まってきた中で、米欧だけでなく、中国、アジア、中東、アフリカ等、各地域で太陽光発電を中心として再エネ事業への投資が拡大を続けているが、わが国では、FIT導入後4年目の段階で、急速に再エネ投資の環境が、経産省による「マイナスのさじ加減」政策によって、ほぼ唯一、悪化するという極めて異常な状況になっている。

 

http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h281q.pdf