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野村総合研究所 100億円の円建てグリーンボンド発行。円建て、事業会社発行はともに初。横浜のグリーンビルディング取得資金に活用(RIEF)

2016-09-09 18:15:29

nomurasoukenキャプチャ

 

 野村総合研究所は9日、横浜で取得するグリーンビルディングの取得資金等を使途とする初の円建てグリーンボンド100億円を発行すると発表した。日本の事業会社によるグリーンボンド発行は初めて、かつ円建ての発行も初めて。

 

 発行するグリーンボンド(NRIグリーンボンド)は発行総額100億円、期間10年で利率年0.250%。資金使途は横浜市西区に建設される横浜野村ビルの一部を信託財産とする信託受益権の取得資金(80%)と、同ビルに入居に必要な設備投資資金(20%)に充当する。

http://rief-jp.org/ct4/62359

 

  横浜野村ビルは、みなとみらい地区に建設される地上17階建てのオフィスビル。1階の飲食店等部分を除いて、野村総研がすべてのフロアを利用する予定。建設主は野村不動産、工事施工は清水建設。来年1月竣工予定。

 

  環境性能については、省エネ運用システム(BEMS、CEMS連携対応)、コジェネレーション、自然換気、雨水利用などを取り入れており、CASBEEのSランクを取得している。また、LEEDについても設計時評価を取得済みで、竣工時にGOLDを取得する予定で、最新のグリーンビルディングとなる。

 

 日本企業発行のグリーンボンドとしては、先日の三菱UFJフィナンシャル・グループの5億㌦の発行や、日本政策投資銀行、三井住友銀行などの金融機関による発行がある。ただ、いずれも外貨建てで、かつ金融機関に限っていた。非金融の事業会社による円建て発行は今回が初めてとなる。円建てで、同じ期間の国債などより利回りがいいことから、国内の年金、保険等の機関投資家向けに販売される見通し。

 

 野村総研では、今回のグリーンボンド発行を、同社自身のグリーン投資の実践に加え、国内のグリーン投資市場の活性化を促すことで、持続可能な未来社会の実現に向けた取り組みとしたい、と位置づけている。

 

 債券としての格付けは、格付投資情報センター(R&I)からAA-を取得、グリーンボンドの適格性については、ESG評価会社のVigeo Erisのセカンドオピニオンを取得したほか、R&Iのグリーンボンドアセスメントで最上位評価の「GA1」を得た。引受機関は野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、みずほ証券、SMBC日興証券の4機関。

 

 野村総研は、「環境問題への貢献はこれまでも意識してきたが、今後も、建物やデータセンターなどの環境配慮に、引き続き関心を払っていきたい」(IR室)と説明している。

https://www.nri.com/jp/news/2016/160909_3.pdf